1話 「スキル取得」
「金が無い…」
これはとても、重要なことであり、今すぐ解決したい事である。
あの、盗人絶対次あったら殺す!
異世界転生したのは良いが、まずは何をすれば良いんだ?
僕の予定では
①隠された能力で女性を助ける
②一緒に冒険者ギルドに行き冒険者になる。
③仲間を募集して(女性限定)ハーレム状態を作る。
みたいなのを予想してたが……
あぁ!もう!ヒロインは何処に居るんだよ!
まずは、冒険者登録しないと何も始まらないな。
「ちょっとすいません!冒険者ギルドって何処にありますか?」
通りかかった男性(優しそうな人)に話しかける。
「あぁん?1ゴールド。」
はい?
「ちっ!情報やるから1ゴールドくれって言ってるんだよ!」
いや僕一文無しなんで…
「おい!君!人からお金をむしりとろうとしない!」
何だ?
僕がどう対応しようか考えていると、こちらに一人の男性が向かってくる。
「ちぇっ!警備隊かよ!ついてねぇーな」
そう言い、男は去っていく。
「大丈夫かい?」
「あぁ…危ない所を助けてくれてありがとう」
僕は頭を下げる。
さっきの男も言っていたとおり、この人は日本で言うと警察の役割を兼ね揃えている。
頭には黒帽子をかぶり、腰元には剣が鞘に入れられている。
「いやいや、僕の仕事だからね…」
「ところで君、冒険者ギルドの場所が知りたいんだったかな?」
「あぁ、そうだった…冒険者ギルドって何処にあります?」
「君の目の前の建物さ」
え?
そう言われると、僕は前の建物をよく見る。
あ、しっかり見るとちゃんと、冒険者ギルドって書いてあるじゃん。
は、恥ずかしいー。
「なんか、色々とありがとうございます…」
こうして僕は冒険者ギルドの方へ向かう。
イイ人だったなー。
てか異世界に警察いるんだ…。
「冒険者の憩の場。冒険者ギルドにようこそ!」
冒険者ギルドのドアを開けるとまず目に入ったのは内装の造りだ。
広々とした部屋に、装飾が施されている。
「あの、すいません!冒険者登録って何処で出来ますか?」
出入り口の前に立っているお姉さんに聞いてみる。
また、お金を取られないか心配だが、こんなに人が入るなかでは騒動は起こせないだろう。
「あそこにあるカウンターで出来ますよ!」
お姉さんが指差す方向には人盛りが出来ている。
「ありがとうございます!」
何だろうな?あの人盛り。
てか、酒くさ!
昼間っから酒飲むなよ!
「おい、今見たか?!」 「あぁ…あんなん見たことねぇ」
人盛りから、話し声が聞こえる。
「すいません!冒険者登録をしたいんですけど…」
僕はカウンターの前に着くと、早速登録してもらう。
「では、隣の機械の上に手を置いてください!」
隣に目をやると、何て言うか地球儀?みたいな機械が置かれている。
言われた通り、手を乗せる。
これってもしかしてあれか?
僕の隠された能力が村人たちに知りわたる出来事か!?
実はステータスMAXでしたー!とか
何!?この能力!見たこと無いです!とか
来るやつ!?
手を乗せてから少ししたら機械の回りに魔方陣が展開された。
あぁ、なんか緊張するー。
「はい!終わりましたよー」
きたー!
「ど、どうでしたか?」
お姉さんは機械から出てきたカードを見る。
そして首をかしげ、
「なんと言うか…」
「平凡ですね!」
平凡?平凡だと?
確かに、誰も最強設定とか言ってないが、
異世界に転生する主人公って大抵最強だろ!
お姉さんから渡されたカードを凝視する。
────────────────────────────────
ヒロト LV 1 次のLVまで 200EX
体力 200/200
攻撃力 100/100
防御力 80/80
魔法力 0/0 適性属性 闇
スキル 無し
マセキ 3
────────────────────────────────
マジで平凡なやつじゃ無いですか!
最強魔法やスキルも無いし、特に目立って能力が高いステータスも無い。
1つ気になったのが、このマセキってやつだ。
僕がやって来たRPGゲームに、あるマセキと言ったら甦生できる能力を持ち合わせたマセキや、強いモンスターを召喚するクリスタルなどだ。
「あの、すいません!このマセキって何ですか?」
「マセキはスキルを覚える事が出来る希少な石です。
基本は、ダンジョンの宝箱からレアアイテムとして出てきます」
へー。
あの天使さん、そんなの持たせてくれていたのか…
「スキルを覚えたいならもう一度機械に手を乗せてください!」
もう一度機械に手を乗せる。
すると今度は僕の方からカードが出てくる。
─────────────────────────────
覚えたいスキルに触れてください!
・「ファイヤー」 マセキ 1
・「能力向上」 マセキ 1
・「エナジーシグナル」 マセキ 1
・「イーグルスピア」 マセキ 2
・「ハイド」 マセキ 2
・「ダブルスラッシュ」 マセキ2
・「ハピネス」 マセキ 2
・「ヒール」 マセキ 2
・「ライトニング」 マセキ 3
・「ワープ」 マセキ 3
・「マジックシグナル」 マセキ 3
・「エンペラーエルヴィス」 マセキ 4
あなたのLVで取得できるスキルのみ表示しています
───────────────────────────────
なんか、色々あるけど、最初だし意味が分かるやつにしよう。
僕は、少し考えたのち、「ハイド」と「能力向上」に決めた。
もう一度機械にカードを入れ直す。
「いいスキルをお選びになりましたね!」
お姉さんが言うには大抵の冒険者が、かっこいいからという理由で「ライトニング」や「ファイヤー」を選ぶらしい。
ハイドは10秒間味方、敵から身を隠すという便利な能力で、
能力向上は60秒間自分のすべてのステータスが1.3倍上がるらしい。
「では、強い冒険者になってください!」
こうしてカウンターを後にする。
読んでくださりありがとうございます!
ブックマークお願いします!