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プロローグ 「死にました」

「コーラにチップス、それと…」


僕は今、コンビニに来ている。


いわゆるニートってやつで僕は一週間に一度(コンビニに食料調達)に行く。


かごにコーラ、チップス、それと今月発売の最新ゲームの攻略本を入れる。


少々値段は高いが付録として、ゲームで使えると言うキャラセリカが付いてくるので、買わなければならない。


「お会計は2000と80円でございます!」


出費だ。アルバイトもろくにやってこなかった僕にとって今あるお金は貯金していたお金だけだ。



「まいどありがとうございますー!」


はぁ…


そろそろアルバイトでもして、お金をかせがないとなぁ…


店を出る。


コンビニで立ち読みをしていたせいか、時間が立ってしまっている。


早く帰ってゲームしよ。


その一心で着けているマフラーをきちんと着け直す。


高校は途中で中退した。


あそこの雰囲気は僕には合わなかった。


文化祭の出し物を考える時だって、皆踞り僕が提案しても誰も耳を向けはしない。


先生もクズだ。


いじめられている生徒が居た事を先生達は知っていたはずなのに、黙視し続けた。


はぁ…


過去の思い出を振り替えると毎回ため息が出る。


「すいません!」


ついつい考え込んでいたので、前に人が居たなんて気づかなかった。


「いや、こちらこそ当たってすいません」


「謝るのはこっちの方です!だって、お腹刺しちゃいましたもん?」


え?


僕は自分の腹にナイフが突き刺さってる事を凝視する。


「は、は?これ全部僕の血かよ!」


「あなた顔はパットしないのに、お腹は良いからだしてるのね?ついつい刺したくなっちゃう!!!」


元々刺されていた所からナイフを抜かれ、おへその近くを強く刺される。


死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!


マジで死ぬ!


痛いどころの話じゃない!


「やめ…ろ!死ぬ!」


だんだんと意識が遠ざかる。


──────────────────────────────────


「起きてください!」


ここは?


目を擦り、何かに座っていることを確認する。


確か僕はヤバイお姉さんに腹を刺された?はずだけど死んでない?


「あ、起きましたか!

私は天使エシリア。あなたは先程死んだのです!」


死んだ? 僕は死んだ…のか?


「僕の死因は?って言っても分かってはいるんですけどね…」


「え?あなた死んだんですよ?もっと「嘘!?」とか「もう少し生きたかったなー!」とか無いんですか?それもいきなり、死因聞きますか!」


よく見るとこの天使さん可愛いな。


死んでなかったら即効告白しているところだ。


僕は天使を見つめる。


「あなた、本当に天使さん?これなんかの映画の撮影とか、最後の最後で、ドッキリでした!とか来るやつですか?」


「はい?ドッキリとかじゃなく、あなたは通り魔に腹を刺され、殺されました」


じゃあ、本当に死んだのか…


はぁ最後に最新ゲームやりたかったなー。


「あなたには、これから異世界に転生してもらいます」


え?


異世界に転生してくれんの?


「よっしゃ!きたー!」


「どうしたんですか?そんな急に大声を張り上げて…」


これって、あれでしょ?


異世界で無双スキルでめっちゃ余裕ゲー出来るやつ


         または  


異世界でハーレムウハウハ生活出来るやつでしょ!


「まぁ良いです…で、ですが、あなたに行ってもらう異世界は現在魔王軍と冒険者が戦争を繰り返してます。」


「このままいくと魔王軍が町に攻め、冒険者が滅びます。

そこを謎の冒険者(あなた)が登場し、冒険者を救うのです!」


天使は僕に向かって指を指す。


「さぁ行きましょう!異世界に!」


僕は即効、「はい!」と答えようと思ったが、ひとまず落ち着く。


「ちなみに…僕ってそっちでは最強設…」


「あなたに天使の恵みがあらんことを!」


ちょっと待って!まだ聞き逃したことが!


天使は空へ飛び立つ僕に彼女は万勉な笑顔で手を振る。


こうして僕は異世界に転生したのだった。







△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



強風の影響で固く閉ざされたまぶたをゆっくりと開く。


よく、朝起きた時になるぼやけがあるがだんだんと日の眩しさが目にかかってくる。


先程居た天国とは大きく変わり、とてもファンタジー風の村が広がっている。


「ここが異世界…そして僕が勇者になる場所!」


通りかかる老人や若者には変な目で見られるが、しょうがない。


見た限り、僕は転生できたらしい。


体もちゃんと動く。


「異世界転生といったら、まずはヒロイン登場だな!」


「さぁ来い!僕の my ヒロイン!」


僕は、道のど真ん中に立つ。


女性は通りかかるがとても、冷たい目でこちらを凝視する。


あれ?ヒロイン来ないの?


「ちょっとすいません…」


後ろを振り向くと、一人の女性が立っている。


ついに!ヒロイン登場か!?


「は、は、はい!な、何でしょう?」


「私、あなたの事が嫌いです」


きっぱりとした口調でこちらを睨む。


へ?


「いや、なんて?」


「だから、あなたの事が嫌いです」


いやいやいや、初対面ですよ?俺ら。


流石に心が傷つくんですけど…


「まず、町のど真ん中に立たないでください…迷惑です。

それと、そんなに金を見せびらかして、私たちみたいに貧しい人に対して嫌みですか?」


金?


そんなの持っていないが…。


僕はそっと下を向く。


「あっ」


腰元を見ると、大きな袋に入った大量のお金が腰に巻かれている。


その中に紛れて、一枚の手紙が挟まっている。


───────────────────────────

異世界転生をしたあなたへ


これは異世界ライフの軍資金です。


一生暮らしていけるほどの金貨が入っているので、無くさないように


───────────────────────────


あの天使、軍資金があるって言っとけよ…。


「あぁ、ごめん見せびらかしてる訳じゃない…ん、だって」


「えぇぇぇぇ!」


腰元を見てもさっきまであったはずの袋が見当たらない。


それと、同時に目の前にいたはずの女性も居なくなっている。


「おにーさん!お金ありがとねー!」


奥の方で女性がうっすらと手を振っているのが分かる。


はめられた。


完全に!はめられた…。


女性を追いかけようと思ったが、ショックすぎて、追いかける気力がない。


「全部持ってかれた……」


僕はこれで、完全にお金を失った。


「天使さん!軍資金のおかわりください!」


天に向かって叫ぶが何も起きない。


「うふふ…」


直後空から笑い声が聞こえたような気がするが、僕の空耳だろう。












読んでくださりありがとうございます!

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