オフ会ゼロ人
その日は、盛大なパーティーとなるはずだった。
少なくとも、男子二十四名、女子四名以上。
計二十八名と思っていたのだが、集合場所のジャスコで一時間以上待っていても参加者は現れなかった。
「なんだろう、情報足りなかったのかなぁ」
動画サイト、「Your movie host」にて動画を投稿していたサムこと牧野明日絵は、視聴者との交流の場を設けるため今回のオフ会を企画した。
その告知動画のコメントには多くの参加の声が上がり、明日絵と明日絵の思い描いていたファンたちは今日を楽しみにしていた。
しかし、蓋を開けてみて明日絵は落胆した。集合時間になっても、誰一人声を掛けてこないのだ。
日時はもちろん、集合場所も、交通アクセスも載せていたはずだ。
一体、何が足りなかったのだろうか。
「……今日であってるよね、オフ会当日だよね?」
明日絵は落胆と困惑を何度も繰り返しながら、現実を受け入れられずにいた。
今日はみんなで昼食、盛り上がり次第では夕食も済ませるつもりだったので、朝食は控えてパン一枚。
「お腹も空いてきたし、もう帰ろうかな……」
ここで空腹のまま粘っても仕方がないと判断した明日絵は、集合場所のジャスコを後にした。
気が向いたら続き書きます。