3話〜バトル、勝つのは···?〜
約束の場所。そこは広い草原にポツンと生える巨木の根元だった。
そこを見ると下の方に穴が空いている。そこが二人の約束の場所だった。
虹架がその場所につくと、既に美愛が待っていた
「ごめん、ちょっと遅れた」
「それぐらい気にしないよ」
「でさ、あの質問の答えなんだけど、私、好き。美愛も好きなんでしょ?」
「な、ち、違うよ!」
「ならいい。私が告白するから」
「嫌だ!」
「何で?別に好きじゃないんだったら良くない?嫌なのはどうして?」
「私も···私も、好きだから!アイツが好きだから!ごめん···虹架がアイツのこと好きだって知って、引こうとした···だけど···!やっぱり抑えられない!好きって気持ちは変わらない!この際、バトルで決めよう?」
「私が親友だからって退こうとするのはやめてね、私は、正々堂々と戦って、勝負をつけたいから」
「分かってる!私は虹架の親友だから!」
そう言うと美愛は不思議な色をしたボールを手に取った。それを空に向かって投げると、そこから光る線が走った。
円形に囲い終わるとその線が囲っている場所は、どんな攻撃でも絶対に壊れることのない、特殊バトルフィールドへと変化した。
二人はその中に入り、早速戦闘態勢に入った。
お互いに相手の出してくる攻撃を読もうとしている。
そして同時に地面を蹴り、虹架は双剣、美愛は刀を構えて突進した。
まず、虹架が片方の剣で切りつけようとする。
美愛はそれを軽く刀で流し、虹架がもう片方の刀を振りかざすのを見て、瞬時に後ろに飛ぶ。
攻撃に失敗した虹架は体制をたてなおし、
美愛の様子を伺う
美愛は刀を鞘に入れ、鞘ごと持って虹架に突進する。
近づいたところで、二本の剣を鞘で固定し、刀を抜いて、切りかかる。
虹架はそれを読んでいたのか、すぐにかわし、蹴りを入れる振りをして、剣を持ち直す。
お互いに距離を置き、再び様子を伺う
先に動いたのは美愛。
鞘と刀を二刀流のように持ち、構えながら虹架に向けて突進する。
虹架は右に飛び、それを避け、双剣を空中に投げる。
空中で双剣は、柄の部分が繋がり、それが少し短く、二本降ってくる。
美愛の攻撃をかわしながらその二つを手に取る。
虹架の得意武器、両刃剣だ。
虹架が本気を出し始めたことに気がついた美愛も、今まで持っていた刀をしまい、どこからかもう一本刀を取り出す。
その刀の刃の色は黒。
柄は包帯が巻かれているが、チラチラと見える。色は赤だった。
例えるならば、人間の血のような色。そこに巻かれた包帯もまた、赤く染まっていた。
それから二人の戦いは続き、五時間後、決着がつかないまま
疲労した二人は声を揃えてこう言った。
「「また今度!今度は勝つから!」」
と。
ゲームからログアウトして水を飲んでいた虹架は、あることに気がつく。
帰ってきてから何も食べてないことに。
同時刻、美愛もまた同じことに気がついた。
それから夕飯を食べたふたりは、連絡を取ることなく、眠りに落ちた。
その時間、慎耶もまた、プレイしていた。
そしてそのまま寝落ちしてしまった。
そしてその時、LBOはワールドに人を残したまま、暴走を始めた。
バトルシーン、書くのが難しかったです!
どう表現したらいいのか。など···
次回は衝撃の展開に?!
お楽しみに!