第6話 大好きな君へ
恋は甘い香りがする
第6話 大好きな君へ
私、杉山杏里。14歳。は大親友ができました。
-学校 登校中-
美奈「ほんっとうに良かったの!?」
杏里「なっ、何が?」
美奈「だから!私と登校して本当に良かったの?」
杏里「どっ、どゆこと!?」
美奈「私なんかと登校するより悠馬くんと登校しなくちゃ!」
杏里「えー、いいよ」
あの日以来美奈との距離はすっごく縮まって
今では私の恋のライバルではなく
恋の応援をしてくれているんだ。
美奈と大親友になるまでたったの2日間しかたってないんだ。
美奈「・・・ねえ杏里」
杏里「ん?どうしたの?美奈」
美奈「悠馬くんに告白しないの?」
私は思わず目の前にある椅子につまずきかけた。
杏里「なっ、なんでそんな話になるの!?」
美奈「だってぇー、キスまでしたんでしょ?」
杏里「したっていうか..されたっていうか...雰囲気的なあれだよ!」
美奈「えー?そうかなぁ?されたってことは絶対両想いじゃん!
立ち止まってても仕方ない!告白するんだ!杏里!」
すると、今までの数々の思い出がよみがえってきた。
キスされたとき、助けてくれたとき。
杏里「美奈・・私決めたよ!悠馬に告白する!」
美奈「よぉし!そーと決まれば作戦だ!」
杏里「おー!」
それから私達の悠馬への告白の作戦が始まった。
-教室-
ドアを開けようとした私に美奈が耳元でいった。
美奈「まずドアを開けたら悠馬くんに挨拶よ!」
杏里「はっ、はい」
緊張の一瞬。
私は思いきってドアを開けた。
ガラガラ
バチッ
悠馬・杏里「あっ」
ドアを開けた早々に悠馬と思いっきり目が合ってしまったのだ。
悠馬はすぐに目をそらしてしまった。
杏里(もう絶対失敗じゃん)
しょっ、初っ端からやってしまった・・・
美奈「目が合うってことは杏里のこと気にしてる証拠だから!
早く言っておいで」
美奈の優しい言葉に私は心をうたれた。
そうだ!私決めたんだ。
もう逃げないって--
私は悠馬の席の前にたった。
悠馬「なっ、なんだよ」
悠馬は顔を赤くする。
杏里「あっ、あの!ゆ、悠馬・・」
悠馬「なっ、なに」
杏里「おっ、おはよう!」
どうしよう。多分今私すごい顔赤い。
悠馬は私の顔を見てそっぽ向いた。
ガーン。ヤバい。これは嫌われたかも・・
悠馬「はよ」
その言葉に私はとっても心をうたれた。
緊張してガチガチで赤くなっていた顔が
今はすっごく明るくて笑顔になっている気がした。
-昼休み-
杏里「できたよ!美奈!私できたんだよ!」
美奈に抱き付く私。
美奈「もー!杏里ったら挨拶なんて毎日してるんでしょ!
何挨拶ごときで喜んでんの!」
ウインナーを口に入れようとする美奈がいった。
杏里「だって嬉しいんだもん!もう挨拶されないって思ってたから。
全部美奈のおかげだよ!ありがとう」
美奈「もっ、もー!いつまでも私に抱き付いてないで弁当食べなさい!」
杏里「はあーい。・・・そういえばさ美奈は悠馬くんのこと諦めたんでしょ?
じゃあ他に好きな人いるってこと?」
美奈「ブッ」
ちょうど美奈は水筒の水を飲んでいるところだったのだ。
水をふきだしてしまった。
美奈「ゲホゴホッ」
杏里「ごっ、ごめん!大丈夫?」
私は慌ててハンカチでベンチに美奈がふいてこぼれた水をふいた。
杏里「・・てことは・・いるってことかな」
美奈「う、うん・・実は」
-昨日-
それは私(美奈)が日直だった日。
保健室で杏里と友達になった日から1日がたった時だ。
日誌を職員室に持って行くように先生に頼まれていた。
私は職員室に向かってトボトボと廊下を歩く。
美奈(私みんなに裏切られてたのに一番裏切った杏里が・・
あの子になんてことしてたんだろう。私)
その日は少し昨日のことでモヤモヤし自分に反省しつつあった。
だから前を全然見ていなかった。
曲がり角に到着したときだった。
ダダダダダ...
ドンッ!
美奈『キャッ!』
バサバサバサ..
日誌が全部床に散らばった。
美奈(も、もう!なんなの!?)
私はそそくさと日誌を拾った。
直樹『ごっ、ごめ!大丈夫?ハアハア...』
その人は息を切らしてこちらを向いている。
そして私の日誌を拾ってくれた。
私は恐る恐るその人の名札を見た。
美奈(私と同じ学年!?)
もちろん同じクラスではなかった。
美奈(2組か・・名前は・・稲葉直樹くん・・)
そして日誌を集めた彼がこっちを向いた。
直樹『ごめんね。今度お詫びさせてね。はい』
とびっきりの笑顔で私に集めた日誌を渡してくれた。
ドタバタドタバタ...
彼はすぐに走って去ってしまった。
私はその彼の優しさと笑顔に恋に落ちた--。
美奈「ということがありましてですね・・」
杏里「それって悠馬の大親友の子じゃん!」
美奈「ええ!そうなの!?」
杏里「うち1年生も悠馬と一緒のクラスだから知ってるの。
私も稲葉直樹って子とあんま喋ったことないんだけど
すっごいモテてて悠馬と並んで歩いてた時は
イケメンズ2人組って呼ばれてた」
美奈「そっ、そうなんだ・・」
杏里「ねえねえ!お互い振り向いてくれるように頑張ろうよ!」
美奈「うん!私も頑張る!」
-5限目 終了-
杏里「はあ...数学って疲れるんだよなあ..」
教科書と筆箱を持って教室に向かう私に誰かが呼び止めた。
和也「杉山さん!ちょっといいかな?」
杏里「はい?」
それは1つ年上の先輩からの呼び出しだった。
私は人気のない裏庭に連れて行かれた。
トンッ
優しい壁ドン。
杏里(え、おいおいおいおいちょっと待て!今どうゆう状況!?)
和也「杉山杏里さん!好きです!僕と付き合ってください」
ぇぇええええええええええぇぇぇぇええ!!??
裏庭の向こう側の壁に人影が見えた。
悠馬(ど、どうゆうことだ!?)
続く