表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋は甘い香りがする  作者: はるぽん
4/6

第4話 壊れかける関係

恋は甘い香りがする


第4話 壊れかける関係


ハァハァハァ...


ドタバタドタバタ...


廊下に息切れの声と足音が響き渡る。


杏里(み、みんなこっちみてるよ・・悠馬・・)


みんなこっち見てるし恥ずかしい!

って思うのになんだろう・・すごく見せつけたい気分・・。


実は私たち色々とありまして今手をつないで

廊下を走って教室に向かっております。


思わず顔がにやける私。


杏里「ちょっと疲れたかも・・」


杏里(まだもうちょっと手繋いでいたい)


悠馬「ん、そうだな。ちょっとここで休憩する?」


悠馬が指差したのはそこにある壁だった。

どうやら壁にもたれて休憩しようというみたいだ。


杏里「えっ」


ゆっくり歩いて欲しかったつもりが休憩になっちゃうなんて!


当然悠馬との手もあっという間に離れた。


し、しっ、失敗したぁあぁぁぁぁぁああああぁぁ!


-トイレの中-


ジャーーーーーーーーー


美奈「もっと」


クラスの女子1「はっ、はい」


美奈「早く入れなさいよ、早くしないと帰ってくるじゃない」


クラスの女子2「すっ、墨持ってきましたぁ!ハァハァ」


美奈「まだ少ない、もっと持ってきて」


クラスの女子2「はっ、はい~!」


ドタバタドタバタ...


クラスの女子1「あっ、あの...こんなことして一体何を...」


美奈「だーかーらー、何回言ったらわかるの?あのクズ女をこらしめるのよ」


美奈の睨みにゾクッとした。


美奈「うん。水はこのぐらいでいい。バケツ2個で2杯分ね。

後はここに墨を入れればっ!」


クラスの女子1「美奈は何をたくらんでるの・・?」


美奈「この墨水をあのクズ女にぶっかけて恥かかせるに決まってんじゃんっ!

そんなのもぉわかんないなんてぇ、美奈のぉ友達失格だよぉ?」


美奈はクラスの女子1のほっぺをプニッとした。


クラスの女子1「ごっ、ごめんなさい」


ドタバタドタバタ...


クラスの女子2「墨大量に持ってきました~!」


美奈「おっそぉーい!」


3人は水が入ったバケツに墨を大量に入れて混ぜた。


美奈「早くっ!教室いこっ!」


クラスの女子1・2「うっ、うん」


ドタバタドタバタ...


-廊下-


悠馬「おい、もうそろそろ教室もどんねーとマジでヤバいって」


杏里「うん、そうだね。早く戻ろう」


悠馬「行くぞっ」


私たちは走って教室まで向かった。

あんなことが待ちうけていることも知らずに。


ドタバタドタバタ...


悠馬「おしっ、着いたぞ、ドアあけるか」


杏里「だっ、だめだよ!私があけるからしばらく外で待ってて」


悠馬「おっ、おう」


ガラガラガラガラ


杏里(あっ、よかった。先生いない・・)


安心したのもつかの間。

みんながいっせいに私を見る。


クラスの男子「ぉぉぉぉぉおおおぉお!新婦さん帰ってきたー!」


私は黒板の真ん中に案内された。


クラスの女子「2人きりの気分はどうでしたか!?」


クラスの女子にエアマイクを出された。


杏里「え、えっと・・」


私はこの時何にも知らなかった。

上からバケツに入った大量の墨が降ってくるなんて。


バシャバシャバシャバシャ...


杏里「え・・・」


クラス中がシーンとなった。


な、何これ・・す、墨!?全身真っ黒。

と、同時に誰かの笑い声が聞こえた。


美奈・クラスの女子1・2「ギャハハハハハハハッ」


杏里「み、美奈・・ちゃん?」


美奈「ねぇ?杏里ちゃん?

黒板のぉ上にぃバケツあるのぉ気付かなかったのぉ?」


杏里「う、うん・・」


クラスの女子1「悠馬くーん!こんなところにいたんだー!」


悠馬「えっ、まあ・・」


クラスの女子2「ねえ!今杏里ちゃんが面白いことなってるから見てよー!」


悠馬「面白いこと?」


2人が悠馬の腕をグイグイ引っ張った。


やっ、やだ!こんな姿、悠馬に見られたくないよ。

恥ずかしい。


教室に無理矢理入らされる悠馬と思いっきり目が合った。


悠馬「え・・」


杏里(さっ、最悪!私なんでこんなことに・・)


私は思い切って目をそらす。

全身の震えが止まらない。


耳元から誰かの声がする。


美奈「杏里ちゃん?調子載るからこんなことになるんだょ?」


私にしか聞こえないすごく小さな声だった。


美奈「悠馬くぅん!」


美奈は無理矢理悠馬の腕を組んだ。


ズキン

またこの気持ち。やだな。


悠馬「えっ、何」


美奈「悠馬くぅん!助けてぇ!この仕掛けねぇ!

ほんとはぁ杏里ちゃんがぁ私に仕掛けようとしててぇ

美奈ぁ危機一髪でぇ避けたのっ!ほんとぉに怖いよねぇ!」


最後にニヤリと笑い私を睨みつけてきた。


杏里「そっ、そんなことしてないっ!」


この瞬間に分かった。

これは「いじめ」なんだということが。


杏里(これが美奈ちゃんの復讐・・)


いくらなんでも卑怯だよ!そんなやり方。

どうしよう...泣きそう...。


美奈「あんたみたいな最低女!こうしちゃえばいいのよ!」


杏里「え・・」


美奈が奥にあるバケツを手に取った。


杏里(ま、まだあるの?)


そのバケツはこちらに向かって来る。


バシャッ


私は思わず目をつぶった。


あ・・・れ・・?

そ、そんなにかかってない・・?


私が思わず目を開けると-。


美奈「ゆっ、悠馬くん!?」


悠馬が私の前に立っていたのだ。


杏里「えっ、どうして!?」


悠馬「いくぞ」


杏里「どっ、どこに?」


悠馬「保健室」


ドタバタドタバタ...


私はまた悠馬に手をにぎられ廊下を走っている。


悠馬!全身墨まみれだよ!

なのに..どうしよう...。めちゃくちゃ嬉しい。


-保健室-


悠馬「先生いないみたいだな」


悠馬は中へ入ってタオルを取ってくれた。

私を椅子まで案内してくれて本当に優しい。


タオルで頭を拭いてくれた。


杏里(悠馬の方が墨まみれなのに...)


杏里「あっ、あの・・どうして助けてくれたの?」


悠馬「幼馴染を助けるのは当然だろ」


杏里「あ、そっか」


幼馴染として助けるというのは少しフクザツだったけど

今はどんな理由でも悠馬が助けてくれたことが嬉しい。

嬉しくてもう今はそれだけで良かった。


杏里「悠馬・・助けてくれてありがとう!」


私は最高の笑顔を見せた。

自分の気持ちは素直に言わなきゃ伝わらない。


悠馬「・・・」


悠馬の顔が近づいてくる。


チュッ


杏里「んっ」


ポトッ


タオルが落ちた。


悠馬の唇が私の唇に・・


え・・これって・・キス!?


続く


















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ