相川陽介 〜県室内選手権〜
「おっ、次四季か。」
俺がアップをして、招集所の前で待っていると、四季がスタート台の前で、オロオロしていた。あいつ、大丈夫かよ。という心配はあいつの場合、したらしただけ損になることが多いが、どうなんだろうか。
\\ヨーイ ピッ//
\\ザボーン//
今日の四季の飛び込みはやっぱりうまかった。四季は細かいテクニックがすごいせいでか、体力をつける努力を怠っていたからそこまで速い選手ではなかったが、テクニックに関しては、同い年の県内の選手よりは高いと俺は思っている。浮き上がってくるとそれがよく分かる。なぜなら、四季だけが12.5メートルの線を超えて上がってくるからだ。
「周り遅すぎだろ。」
思わず声に出てしまったらしく、周りに凄い睨まれた。てか、なんで四季は一組目なんだよ。四季なら2組目だろ。最終組は…無理だな。
100mのターンでアナンウンスクがかかるが、やっぱり四季だ。
「途中経過をお伝えします。第1コース山田くんJSC木田。時間1分12秒42。1分12秒42。」
「ベストかよ。」
四季の100mのベストは記憶違いでなければ1分12秒くらいだったはず。これでもつのかよ。四季ならもつか。
「おっ、四季今どうなん?」
涼介が聞いてきた。
「今、アナウンス流れたろ?前半1分12秒だとさ。あいつのベスト12秒だったよな?」
「あらら。あいつまた速くなったんか。差つけられんように頑張ろうっと。ほんじゃあアップ行ってくるわ。」
「頑張れよ。」
まあ、俺ももうすぐ…
「200m背泳ぎの招集を始めまーす。」
じゃあ、四季。残り頑張れよ。俺も頑張るから。そう言って、俺は招集所で、お尻にズボンを少し降ろそうとして、水着を着てないことに気付いた…四季も涼介も見てなくてよかった。




