これが、出会いの伏線です。
「さてと、俺の勝ちだ。約束どうり100万両を貰っていくよ」
「くそっ、持ってけ泥棒」
以外と素直じゃん。まっ、くれればどうでもいいけど。
俺が、金を受け取ると町人は店の中へ入っていった。
「ナイス、早くその金で飯でも食べようぜ」
「何を言っている」
「えっ…」
「これは、俺が貰ったお金だ。お前のじゃない」
賛同するように桜が鳴いた。
「桜までひでえな。親友だろ」
「お前とは親友でも友達でもない。だだの知り合いだ」
「知り合いってなんだよ。ひでな悪魔、鬼」
仕方ないあいつが声をかけなければ金が手に入らなかったしな。
「今回だけだ」
「サンキュー、そうと決まったら行こうぜ」
俺たちが、歩きだうとした時
「待ってよ」
「助けてくれてありがとう。助かりました」
「別に…」
「私たちの家食べ物屋なの。貴方たち、旅の人でしょ。うち、宿屋もやっているから泊まって行くといいわ」
「お断り…」
俺が断ろうとした時、突然草加部が頭を叩いた。
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
こいつは、また考え無しに突っ走りやがってどういうつもりなんだ。まっ、言っちまったもんは仕方ないか。
「分かったよ」
「そうこなくっちゃな」
「案内してくれ」
「分かったわ。ほら、お父さん行くよ」
「ああ…」
二度目の正直で歩きだそうとした時、今まで黙っていた右京が止めた。
「ちょっと、待ちなてよ。どうしてあんな予言ができたんだ」
「まだ、分かってなかったのかよ」
「それなら、俺も知りたかった。何故だ」
「私も教えてほしいわ」
全員馬鹿なのか。ゲームの結果見れば分かるだろ。
「何でって、そりゃあ。向こうが仕組んでいたからに決まってんだろ」
「えっ」
三人が驚いた顔をした。
本当にわからなかったのかよ。
「つまり、コイントスは自分が勝つと向こう
は思っていたんだ」
「そうか、つまりいい札を入れたらカスって感じで交互に入れていたのか」
右京と女が納得したような顔をした。
「お前はいつ気付いていたんだ」
右京が呆然と俺にきいた。
「始めから」
「もう行くぞ」
「待て、せめて名前を」
「知らなくて…」
俺の言葉をまた遮ると草加部が言った。
「草加部 元親。後この無愛想なやつは西園寺 薫だよ。でっ、この猫の名前が桜」
ニャー腕の中の桜が鳴いた。
説教はまた後にしよう今度こそしばいて、殴り倒してやる。
歩き出した草加部を追いかけるともう二人は振り返らなかった。
これが、始まりだとも知らずに。