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陰陽桜花  作者: 暁月 未来
6/8

終わりは一瞬のうちに

「やめさせてください」

「絶対勝てるわけありません」

「止めてって言われてもな」

「そうですよ。あの外国人、勝てるわけがない」

「外国人ってもしかして、あいつのことか。

えっと、右京さん」

「そうだけど」

「っ…」

突然腹を抱えて笑いだした草加部に右京と女が訝しげに見つめた。

俺は歩みを速めると無言で草加部の頭を殴ると言った。

「誰が、外国人だ」

「違うのか、そんな髪色しているからてっきり」

二人の驚いた顔を俺は睨んだ。

さて、あいつに土下座でもさせようか。

それとも、この町中引きずりまわそうか。

「貴様、俺に何か言いたいことはないか」

俺は無表情で笑っている草加部に言った。

「すみませんでした」

「すみませんだけか、そうかそれなら俺は桜と一緒に全力で逃げようか」

俺の本気を感じとったのか草加部はスライディングで俺の前に滑りこむと土下座をした。

「本当に申し訳ありませんでした」

「ふっ、分かればいい」

すると、さっきの町人が此方に走ってきた。

「速く来いや、この外人」

「はい、分かりました」

俺が素直に返事をしたのがおかしいとおもったのか、草加部が俺の顔を覗きこみ恐怖で顔を青くした。

そんな事に気付いていない町人が言った。

「まず、賭ける物決めようか」

「それじゃあ、そこの女とお前の連れでいいな」

「ああ、だけどそれだけじゃつまらないな。

俺が負けたら100万両払おう。お前が負けたらお前が払え」

相手は一瞬怯んだが俺の顔を見て後にはひけないと思ったのか言った。

「いいだろう」

「それじゃあ、始めようか」

俺は不敵に笑った。

「あの、兄ちゃん本当に大丈夫なのか」

「あいつは止めても無駄だ」

「そうか」

「それじゃあ、札をくばれ」

右京のかけ声で町人が札を配った。

「さて、先行を決めよう。メダルトスだ」

「表にするよ。坊やはどうする」

「どちらでもない」

「はっ。舐めてんのかお前」

「いちいち、興奮するな。いくぞ」

右京が、トスをするとコインが表に倒れそうになった。

「はっ」

町人が笑った時風がふいた。すると、倒れかけたコインが持ち上がり立ち上がった。

一同が騒然とする中、草加部が笑ながら

「やっぱりな」と呟いた。

「じゃあ、俺から」

町人が何故か青い顔をしていた。

「予言してやろうか」

「なんだと」

「あんたは、カスしか引けない。そして、俺に負ける」

「ふざけた事言ってないで早く引け」

すると、薫が言ったとおり何故か町人はカスだけしか引けず薫の圧勝となった。

「チェックメイト」

「こいこいしますか」

「いいえ」

勝負は一瞬で終わった。始めから何もしていなかったように。







































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