これが、始めの勝負です。
角知 右京は、町の巡回のために都の中を歩いていた。すると、前方から怒鳴り声がしたので歩く速度を早めた。
薫はとりあえず桜を地面におろした。
すると、桜は草加部の所へ歩いていくと彼の顔を引っ掻いた。
「痛ってな。何すんだ桜」
俺はその隙に草加部の背中を蹴り倒した。
「お前は、本当に学習しねえな。町中引きずりまわして二度歩けなくしてやるぞ」
「そんなの出来るわけな…」
俺の殺気を感じてか草加部は素直に謝った。
「お役人さん、すみませんでした。この馬鹿でアホでゴキブリ以下の奴が、意見なんて耳をかさなくていいですよ」
「そんな事言って立ち去ろうってんじゃねえだろうな」
「立ち去るに決まっているじゃないですか」
「なんだと、お前らが話し合いを止めたんだ
責任とってもらうぞ」
「話し合いね… 。何をすればいいんだい」
「ちょっと、やらない方がいいよ」
「そうだな、じゃあこいつらと同じ勝負、花札で勝負しようや」
「花札って…」
俺は思わず笑い出してしまった。
「何が可笑しい」
役人が俺に掴みかかろうとした時、背後から声が聞こえた。
「こんな場所で騒ぎを起こすな」
「なっ、右京様。すみませんでした。しかし、こいつらが勝負に口を挟んだのです」
「それは、こいつらの方が悪いな」
「だか、これ以上騒ぎを起こしてもらっても困るから僕が見届けよう」
「ありがとうございます」
「もう逃げようたって遅えぞ。外人やろう
勝負はこいこい、お前が負けたらその女とお前の隣にいるそいつ、そして100万両ほど貰おうか」
「別にいいけど、じゃあ俺が勝ったらそいつらとこいつの解放と逆に俺が100万両貰おうか」
「いいだろう」
俺が準備をまっていると草加部と女が話しているのが見えた。
俺もそちらに行くことにした。