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序章
ある、お屋敷の庭に桜が咲いていた。
すると、その屋敷から1人の青年が庭に出て来た。青年は憂い帯びた顔で桜を見上げた。
「どうか、この都をお救いください。」
桜はその呟きに答えるように花びらを落とし
た。すると、屋敷の中から声が聞こえた。
「早く入れ」
「わかっている」
しかし、青年は桜を見上げたまま屋敷に入ろうとはしなかった。少し時間が経過した頃、屋敷から20代ぐらいの青年が出てきた。
「お前が、桜を見て祈ったところでどうにもならないだろ」
「わかってる、でもこのまま何もしなければ変わらないだろ」
「しかし、とりあえず屋敷に入れ」
青年は仕方なくそれに従うともう一度桜を見上げ屋敷に入って行った。