俺の願い、彼女の想い
今日もいつもの日常が繰り返される。
俺はそんな平凡な日常に飽き、どこかで非日常が起こらないかと思っていた。
違う場所では今日も殺人 、窃盗、あらゆる犯罪が起こっているではないか。
なぜおれの周りではいつもの日常が繰り返され、何も起きないのか。
俺は生きたいのか死にたいのかわからなかった。
自殺なんてそんな勇気はない。
自然と死ぬか、殺されるかどちらかと思っていた。
しかしそんな平凡で何もない日常に非日常な現象が起きる。
大地震が町を襲う。
人々の悲鳴、助けての声、そして死。
なんとか無事だった俺の目に映ったのは壊れる町だった。
生きているだけでも不思議なくらい町は崩壊していた。
このまま俺は死ぬのかな。
特にやり残したことはないと思ったが一つだけ悔やむことがあった。
彼女のことだ。
彼女とあって二年間、俺は彼女に惹かれていた。
相手の心なんてわからないから告白する勇気なんてない。彼女の困らせるようなことをしたくなかった。そんな臆病な俺はいつか彼女が振り向いてくれるのではないかと願っていた。
しかしもう会えないんだと思ったら無償に悲しくなった。
たった一言『好き』と言えなかった自分が俺は許せなかった。
でももういいんだ。これでいいんだ。と思っていると携帯が鳴り始める。
こんな時に電話なんてしてくる奴なんているのかと思いながら携帯を取る。
携帯を開くと彼女からだった。
すぐに出ると彼女は
『君に会いたい。君と会って最後に話がしたい。』
と必死に言う。
その声は震えており、話すこともやっとというくらいだった。
俺はすぐに立ち上がり走った。
彼女のいる場所へ。
崩壊した町の中、ボロボロになった町の中走った。
転けても転けても走った。
身体は傷だらけになったがフラフラになりながら走った。彼女のいる場所へ。
すると彼女は膝を抱え震えながら座っている。
俺は息を切らしたまま彼女の元へいった。
彼女顔を上げ俺を見る。
すると彼女の目からは溢れるように涙が流れた。
『来てくれると思わなかった。私のこと嫌いで、来てくれないと思ってた。』
というと泣きながら話す。
あぁ、彼女がこんなにも泣いている。
俺の好きな彼女が、困らせたくなかった彼女が泣きている。
俺があんな非日常を願ったから。
俺はただ彼女を抱きしめるしかなかった。
俺は彼女に言わなくてはならない。
でも、わからない。どうしていいのか。
どうすればいいのか。
でも言わなくてはならない。
『君が好きだ。ずっと前から君の事が好きだ。』
というと彼女は顔を上げた。
彼女の顔は涙でグシャグシャになっていた。
『私のこと嫌いじゃないの?ずっと嫌いだったんじゃないの?』
と彼女は必死になって言う。
『嫌いなわけないじゃないか。ずっと会った時から好きだった。でも臆病な俺は君が振り向いてくれることを願ってた。』
というと彼女はまた泣き始める。
『遅いよ。ずっとそういってくれること待ってたのに。遅すぎだよ。』
と彼女は泣きなら言う。
確かに遅すぎた。もう世界が終わってしまうのに。
俺は彼女の顔を上げてキスをした。
俺にとって生まれて初めてで最後のキスだろう。
もし願いが叶うならもう一度あの平凡な日常に。
何もないけどそれがよかったあの日常に戻りたい。
そう思うと俺の付けてた指輪が光を放つ。
その光は俺たちを包み。そして世界を包んだ。そこで俺の意識は飛んだ。
目が覚めると俺は家の自分の部屋で寝ていた。
あれが夢だったのか本当だったのかはわからない。でも彼女と会ってその話をすると彼女も同じ夢を見ていた。
この話は誰にもしていない。
俺と彼女の秘密の話だ。
これからいつもの平凡で何もない日常に戻るだろう。
でも俺のそばには彼女がいる。俺が大好きで守りたい彼女が。
俺は新しい一歩を踏み出した気がした。




