始まり
この世を統べるのはただ一つの存在。
それがそれに気づくことは確定ではない。
気づけば変化し、気づかなければ時は経つのみ。
統治者が望んだ世界に世界は移行し、元統治者から新たな統治者へと権限は受け継がれる。
世界を変えるのは運命なんかではなく、くだらない権限だった。
例えばの話。
君が想像を絶する力を得たとしよう。
そしてもう一つ、君の両親が既に他界しており、しかも自分がこの先どういう生き方をしても生きていけるであろう遺産を持っているとしよう。
その時君はどういう道を選ぶだろうか。
その力を遺憾無く発揮し、更に金を儲けるか。
それとも、多額の遺産をどうにかこうにか運用し更に儲けるか。
はっはっは。
俺からすりゃそんなもん愚行だね。
金があるってのにわざわざ疲れる事をしてまで金稼ぎに走るなんて滑稽だ。
金があるってのにわざわざリスクを犯してまで金稼ぎに走るなんて馬鹿だ。
まあ個人の考えであるから必要以上に介入する気なんて更々ない。
つまり何が言いたいかと言えば、俺はこの力を金儲けに使おうなんて気は更々ないって事だ。
なら何に使うか。
簡単な事だ。
俺が使いたい事に使う。
それは例えば人助けだったり、或いは自らの保身のためだったり色々だ。
さて、前口上なんてこれくらいにしようか。
じゃあ行くぜ。
ようこそ小説の様な世界へ。