ブログの好きな作家
「なにやってんですか?」
「うわあっ!どっから湧いた!?」
「玄関からに決まってます」
「もうちょっと賑やかに登場してよ」
「したらしたらで気が散るとか文句言う癖に」
「まあそうだけどさ」
「それより、何やってるかって聞いてるんです」
「何って、書いてるよ」
「見たらわかります」
「じゃあいいじゃん」
「何、書いてるんですか?」
「えーーっとぉ・・」
「ブログでしょ、ブログなんでしょ!」
「・・・・はい・・」
「ブログじゃなくて小説書いて下さい!」
「えー・・だって日記は毎日書きなさいって堀内先生が」
「誰ですか?」
「小学校の先生」
「昭和のことは忘れてください!」
「昭和って・・・そりゃそうだけど・・」
「とにかく、書いて下さい、小説」
「でもさあ・・私もともとブロガーだし」
「そんな大したブログじゃなかったじゃないですか!」
「あ・・青年、今の刺さったよ!もう心の底までぐさっ、だ!!」
「刺すために言ったんです。」
「いいじゃん、ブログ書いたって・・」
「一つなら見逃しますよ、俺だって」
「・・あ・・・」
「知ってますよ、裏ブログ、持ってるでしょ?」
「よくご存じで・・」
「表ですらマイナーなのに、その裏にさらに どマイナー。どんだけですか」
「青があるなら赤があったってええじゃないか~」
「そこで踊らないで下さい!」
「楽しいんだよ、ブログは」
「2年置いてあって、一日10人しか見ないブログなんて潰しなさい!」
「だって・・だって・・・」
「一番最初に晒した作品、2年で50人も読んでないんですよ!」
「あたしの実力なんてどうせそんなもんで・・(ぶちぶち)」
「また下らない後ろ向き思考・・さては、余ってますね?時間が」
「え・・いや・・余ってない・・です」
「余ってるようにしか見えません。潰してあげます、その時間」
「わかった、書く。今から書きますから小説!さあ書くぞワンパタ~ン!」
「手遅れです」
「ま・・待ちたまへ青年!脱ぐな!!」
「先に脱がせましょうか?」
「わあああああ!!」
その後、作家がかいたのはブログでも小説でもなく甘い汗だった。