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プロローグ
ある王国の王妃様に可愛らしい双子の子どもが生まれました。
兄にあたる王子のカイ、妹にあたる王女のアリア。
王妃様は長らく子どもを授からなかったので大変喜びました。
しかし、王様の表情は冴えません。
王妃様は、疑問に思い王様に尋ねました。
「あなた、何故そんなに浮かない顔をしているの?」
王様は哀しい顔で双子の頬に触れました。
「何故、双子なのだ……」
ぽつりと呟いた一言。
王妃様は、疑問に思うだけです。
「2人もいっきに生まれて嬉しいかぎりですわ。さらに男の子と女の子なんて!!」
王妃様は他国から嫁いで来たのでこの国の決まりをしりませんでした。
誰もが双子など生まれるはずがないと思っていたので何も言わなかったのです。
実際に王家に双子が生まれたのは100年も前のこと。
誰もが予測できない事態だったのです。
この国―マリアネス―にとって双子は禁忌です。
それは、この国の始まりにも遡ります。