小走りホラー・二番煎じ
この作品は、影之兎チャモさんの『小走りホラー』に触発されて書いたものです。
この場をお借りして、タイトルの使用を許可していただいた影之兎チャモさんにお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
では、二番煎じではございますが、どうぞ^^
私も小走りでホラーを考えてみた。
朝起きたら、隣りに見知らぬ女が眠っていた。
その隣りには、見知らぬ赤ん坊が眠っていた。
その隣りには見知らぬ少年が……
その隣りには……
その……
俺が。
「かみさま、ぼくはどうなってもかまいません」
小さな手が、一心に合わされている。
「だからおねがいです。いもうとだけは、ぜったいにしあわせにしないでください」
ずるずると、わたしの後ろを音がついてくる。いくら急いでも、ずるずるずると。
もう我慢できなくて、わたしは振り向いた。なんだ……
わたしの赤ちゃんじゃない。へその緒でつながったままの……
(ねえ、もうやめてったら……フフ)
目覚めは最悪。別れた男の夢を見るなんて。
もっと最悪なのは、あいつが自殺したってニュースを、今やっていること。
友人に、顔色が悪いぞって言われた。でも自分では分からないんだ。
だって俺、今朝から鏡に映らなくて。
だからぽっとん便所って嫌いよ。
ねえっ。あたしの上にクソしないでっ。
「今日のタン塩、うまいなあ」
俺が褒めると、彼女は何も言わずに、ニッコリと笑った。
……どうして今日は、こんなに無口なんだろう?
「金の斧で頭を割られるのと、銀の斧で首をはねられるの、どちらがいいですか?」
「どっちも嫌です」
「まあ、あなたはなんて正直なのでしょう。ご褒美にどちらも……」
だるまおとししようよ。ね。いくよ。せぇの。
ぐしゃ。
ぶ〜らん〜こ、ぶ〜らぶ〜ら。
あの人が、目の前で笑っていた。三年前に亡くなってからも、ずっと恋い焦がれていた、あの笑顔。
ぼくは思わず頬を抓った。痛くない。やっぱり夢だ。いや、それでも構わな――
「ううん。夢じゃないわ。いらっしゃい」
(おしまい?)
けらけら