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すとぅりぃ  作者: 一八
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すとぅりぃ

ある村に男の子が産まれました。しかし、その男の子は髪の色が深い黒色でした。黒は悪魔のしるし、夫婦は男の子を『殺す』か森の中へ『捨ててくる』かで迷いました。何日も迷ったあげく、とうとう夫婦は

「自分達の息子を殺すことは出来ない、森の老人の所へ捨てて来よう。」夫婦は他の村人にバレないように男の子を大きな土色のマントにくるんで森に捨てて来ました。



…10年後



エルロンド王国の大きな森の大きな家に1人の老人剣士と5人の黒い髪の男の子が住んでいました。5人の男の子達はみんな親に捨てられた子供達でしたが幸せに暮らしていました。

男の子達にはそれぞれ名前がありました。


5人の中で最年長16才、名前は『ルーク』、恐ろしく整った顔立ちをしている心優しい青年。


5人の中でひときわ背の高い14才の少年。

名前は『クード』、無表情。


5人の中でひときわ背の低いダンゴ鼻で目の大きな14才の少年。名前は『ポンチ』いつもにこやか。


5人の中で一番切れ長の眼と高い鼻を持っている10才の少年。名前は『ジル』、本と剣が大好き。


そして、5人の中で一番深い黒の髪を持っている10才の少年。名前は『ジャック』、自分の身体よりかなり大きな土色のマントを腕を捲り、地面に引きずりながら着ている。


5人の男の子達はみんな老人剣士の『アレイン』のことが大好きで尊敬していた。5人の男の子達はアレインにいろんなことを教えてもらった。読み書き、森の中での食料の採り方、剣の使い方、森の外の世界のこと…。

この世界で、黒い髪を持って産まれて来た人は『悪魔』と呼ばれ、人々に嫌われる。だから、黒い髪の子供が産まれたら誰にも知られないうちに、『殺す』ことが当たり前になっていた。もし黒い髪の子供と暮らしているとバレようものなら、国の兵隊が一家全員を皆殺しに来る。

ジャックとジルは、いつものように大きな森の川で釣りをしている。森はいつもどうりで、平和そのものだった。しかしアレインが言うには、

「いつ、どこで、何が起きるかわからないから、剣はいつの時も持ち歩け。」

との事。

(こんなに平和なのになぁ…。)ジャックは心の中で呟きながら、自分の身長分ぐらいある剣を背中に背負いながら釣りをしていた。

ジャック達がいる川より少し山を登った所で、クードとポンチは木の実を拾っている。ポンチは後ろに人の気配を感じ、振り返った。ルークが腕を組みながら立っている。

「もうすぐ夕飯の時間だ。家に帰るぞ。」

ルークがそう言うと、ポンチが

「待ってました!!!」

と叫び、顔をまぶしいほどの笑顔でひからせ、家の方角へ体を向けた。次の瞬間、ポンチは自分の眼を疑った。この場所からいつも見える、自分達の家の屋根が炎に包まれている。

「みんな!大変だ!!」

ポンチは言うと同時に家に向かい走り出していた。


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