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瞳を魅せる男の異世界譚  作者: ヤギー
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14話 魔法の適性

今回の話は、地の文ばかりなので読みづらい可能性があります。

後書きに要点をまとめたので、そこだけ見れば今後困りません。



 それほど大きくないリュックに大量の荷物を詰め、腰に剣をぶら下げて慎也は1人歩いている。

 今までは、ジーパンにパーカという、日本で休日をやる気なく過ごす時に慎也が好んで着る服装だった。

 しかし、他人と違う格好で無駄に目立つ必要はもうない。

 今は、村の人たちが着ていたのと似た、何かの植物の色なのかやさしい色をした服を重ね着し、ベルトの代わりに帯のようなもので結び、そこに剣を挟んでいた。


 慎也は、平坦な道路もない道を方角を間違わないように歩きながら、村長のメモを見ていた。



 村長のメモはきっと夜遅くまで、かなりの時間をかけて書いてくれたらしく、かなりの情報量だ。

 パール王国までの道筋はもちろん、そこまでにある街の特徴や気をつけること(通貨の違いや文化の特性上してはいけないことなど)が細かく書いてある。

 さらに、慎也の新しい世界を楽しみたいという要望に答えるため、一種の観光情報のようなことも書いてあり、これから先ずっと重宝するであろうメモだった。


 そして、パール王国までの行き方の選択肢はいくつか示されているが、村長は安全性の高いのを絶賛推奨し、他のは良くないことばかり書いてある。村長の人のよさが表れていた。

 それによると、取り敢えず、比較的近い街までは3日くらいかけて歩くしかなく、そこからその街の所属する国の首都まで馬車で行き、そこからパール王国まで馬車で行くことを進めている。

 しかし、馬車に乗るのは非常に高価なので、1回目の馬車の代金しか用意出来なかったから、2回目の馬車の代金は、何でも屋として働くか、護衛として仕事を見つけるかするように書いてあった。



(…本当に村長さんも人がいい…というか、面倒見が良すぎるだろ。

 物の価値も書いてあるが…馬車がどれだけ高いか良く分かる。

 これは…それなりに身分の高い人が使う物なんじゃ…って言うか、金額を確認してから出発すればよかった…なぁ。

 貰えるだけありがたい、と思ったけど…貰いすぎだよ。)



 村長さんの人の良さにほとほと呆れてから、今後のことを考えた。

(近い街[ラナース]まで歩くのは、他に手段がないなら考えることもないが、ラナースに着いたら、馬車で行くかどうかは要検討だな。時間はあるのだし、金をかけるのは…

 あっ…魔物が出るのか!ここらへんは出ないけど、ラナースを超えると…って、わざわざ主な魔物の出現マップまであるのか。村長さん本当に物知りだなぁ。


 じゃあ、ここらへんを歩いている内に、魔法の練習とかをして、いざって時に備えたいところだな。

 剣も…型とかはしょうがないから、思い通りに振れるようにならないと…)



 いろいろ考えた結果、朝・晩2回は剣を振ることと、魔法の本を読んでは歩きながら練習し、それなりに練習したら、休憩を兼ねて本を読むことにした。




 大学生の頃は、難解な分厚い本を読まされることもあったので、メリー向けの本や村長さんの分かりやすく書かれた巻物を読むのは苦ではなかった。

 ついつい読みふけり、進みが遅くなりつつも慎也は楽しみながら進んでいた。


(知らないことを知る、出来なかったことが出来るようになるっていうのは本当に楽しいな!)





 慎也は、村を出発して4日目に突入していた。

 …まだ着いていない。

 しかし、(村長さんのメモの『位置の目印』によると)今日には何とか着きそうだった。

 魔法をいろいろ試していたためであるのは、明白だ。


 いろいろ試行錯誤して分かったのは、残念ながら慎也は全体的に適性が低いことだった。

 魔力があるおかげで何とか目に見える物にはなるが、まったくもって思った通りにならない。

 真っ直ぐに火の玉を飛ばそうとして(大して火の玉にすらならないが)、くるっと方向転換して後ろに飛ぶこともあるし、威力も微妙だ。

 仲間がいたり、人質が取られてたら、どんなにピンチでも使いたくない。



 まだ、使えそうなのが雷の魔法と身体強化だ。

 慎也は大学が工学部の電気系だったので、電気の性質などの理解が高い。

 それが影響したのか、少しの魔力で目に見える発電が出来た。

 身体強化が使えるのも、筋肉が動くのは電気信号なので関係があるのかもしれない。


 ただ、科学が発達していないこの世界では、電気の概念はなく、分類は『雷』。

 雷の魔法を使えるのは極めて少ないらしく、メリーの本でも紹介だけ。

 よって、慎也は我流で発生させることが出来るだけで、ちゃんとした魔法になっていないので、正直まだ役には立たない。


 身体強化も加減が出来ない。

 空回りして体勢を崩してしまうので、剣を持って使うなど全然出来ない。




 しかし、慎也はこのトライ&エラーだけでも十分楽しかった。

 大学の最後にした研究など、だいたいは実験と評価の繰り返しだった。

 それに慣れている慎也は、この未知の現象を解明するのが楽しくて仕方ないのだ。


 使える人のほとんどいない雷の魔法など、逆にやる気が湧いた。

 慎也は、街について魔法の研究の時間が減ってしまう方が残念だった。




 街まであと1時間も歩けば…そんな場所で事件は起こる。


[要約]

慎也は、次の街[ラナース]に向かって歩いてます。

歩きながら魔法の適性を試したところ、『雷』と『身体強化』だけ適性がありました。

しかし、まだ魔法というにはお粗末な、魔力に頼った力技です。

慎也は、魔法をいろいろ試して改良するのが、楽しいです。

このあたりは魔物が出ませんが、他にはいるので、次の街から高価な馬車に乗るように村長のメモで勧められて、慎也は迷って保留としています。

馬車はすごく高いですが、1人が1回乗るくらいの大金がリュックに入ってました。

慎也は欲が少ないので、出発前に金額を確認せずに後悔しました。

次の街まで…あと1時間



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