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34話 月光の影には魔王が

「神殺し、フェンリル…狼は人間の手によって犬となった、それがこの兵器にも適応されるとはな…」


「なっ…」


魔王はフェンリルの雷のような攻撃を受けながら歩みを進める


「電気は人間の発明する素晴らしい者だ、だがそれは使い方によってゴミ同然となる…」


「お、おいやべぇぞグリドール!あいつこっちに来てる…!」


「くくっ…そのフェンリルは魔力で動く物だ!電気で無理矢理動かしただけの犬っころに余が負けるとでも…?」


「実に片腹痛し、その気概…その程度か人間の知能とやらは…!」


フェンリルの放つ攻撃を物ともせずその本体の前に魔王は仁王立ちする…


「リオハさん、あのビームみたいなの俺が触れたらどうなります?」


「皮膚が焼け焦げて神経に一生残るダメージが残るね、奴は魔力のような物でガードしてるけど…」


「…一瞬なら、いけますよね?スリーフ!そのまま出力を上げろ!」


「っ今やってるよ!」


「待て獣よ、後で構ってやる。」


「手負いの獣は恐ろしいぜ…?」


フェンリルの出力は増大し、魔王は踏み込む…


「すぅ~っ…ふっ!」


それを逃さずグリドールは突進、壁を数枚抜き魔王の首を締める


「全く、実に鬱陶しい獣だ!」


グリドールを離そうとするも、それは失敗に終わる


「…?汝、何をした…!」


「刺せ。」


首に巻き付いたのは腕だけではなかった、いばらも同時に巻き付きそのとげを差し込む


「ぐあぁ…熱い…!これは何だ…!」


「これだけじゃないだろクソ魔王…?その革ひっぺがして元の持ち主に返してやらぁ…!」


「くっ…そこをどけ獣ォ!鍵座解放っ…!」


魔王がそう唱えるとグリドールの焼け跡の残る耳は捻れ血を吹き出していた


「んなことして俺が止まるとでもォ!?」


「ぐぁ…いっ、イスカリオテ!来い!」


いばらは魔王を突き刺し、青い血を吹き出す


「はいはい今度はな…」


「待ちな、俺にも見せ場が欲しいんだよ」


召喚されたイスカリオテの喉元に槍を突き立てたのはスリーフであった


「アルディス…!?い、いやそんなはずは…」


「目はアルさんの物だよ、んでお前のこと大体分かったぞ…」


「おい!イスカリオテ!早く余を助けろ!」


「こっちも忙しいんだ、貴公は一人で耐えっ!?」


「セメス・トーム・イトル。」


リオハが呪文を唱えるとイスカリオテは糸で縛られたかの如くその場で動きを封じられる


「全く…つくづく面倒だな人間というものは…」


「グリドール君!こいつは私達に任せて安心して戦ってくれたまえ!」


「言われなくてもっ…!」


グリドールは魔王を天井へ投げ戦場を変える…


「人の子よ、出来るだけ話し合いで解決しないか?」


「え、意外にも平和的手段…」


「スリーフ君、絆されないように…彼は裏切りの神だよ。」


「あ、そっか…今フェンリル使えないんでそこよろしくすよ…」


スリーフは我に返りリオハと共に戦闘体勢を取る…






~王宮外~


「…暇ね。」


「ひマ、おい角付き、ナんか話せ。」


「えっ…あ、えと…わ、わたしヴァイラって言って…」


「つマらン、他の話。」


「ワープ、あんまりいじめないの、泣きそうになってるじゃない。」


未だグリドールの部隊は吊らされたまま、月から増援が来ることもなくヴァイラ達は暇を満喫していた


「は、ハエのおねーさん…ルナフェナさんは治せないの…?」


「…あいにく、私が治せるのは姉妹だけ、ごめんなさいね。」


「そいツは気絶しテルだけダアホ角付き!治癒魔法で治セる物ジゃナイ!」


「ひっ…ご、ごめんなさい…」


ヴァイラがワープに怯えを感じていたその時…


「いたっ…何か分からないけど私のハエがほぼ死んだ、一体中で何が…?」


「様子みルか?」


ワープがゲートを開こうとした瞬間王宮の方より轟く騒音がヴァイラ達の耳に入る


「ひゃ…な、何…?」


「あれは…魔王とグリドール…!?」


音の方向には天に打ち上げられる魔王とそれに追い討ちを掛けようとするグリドールの姿があった































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