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22話 独活のドワーフ

「っふー…」


白い息を吐きグリドールは自身の実家に着く。


「深夜だけど開いてるかな…」


鍵は掛かっていない、戸を開け、中へ進んでいく。


「っ…」


リビングの机の上には、作り置きの料理と手紙が置いてあり、グリドールは物音立てないように机へと近付く


「グリへ、いつ帰ってきてもいいように作っておきました…っ母さん…!」


冷えた、豆のスープ…だがそれはグリドールにとって愛の籠った暖かい料理に見えていた


「ごめん、また顔見せる…」


スープを取り外へ出るグリドール、その視界に映し出されたのはローブを着た男であった


「っ…?」


不思議と温かく、落ち着く雰囲気を漂わせており、グリドールは話し掛ける


「あ、あの…」


「あなたは生きることを望んだ、与えましょう。」


「へ?」


「ですが…隣人を愛することはあなたにしか出来ない、求めなさい、それに応えられるのはあなた自身だ。」


瞬間、グリドールの視界は光に包まれ目を開けたときにはローブの男は消えていた


「な、何だったんだ…?」


手に持っていたスープは暖かくなっており不可解な状況にグリドールは頭を抱える








「すみませーん…夜分遅くに申し訳ありません、マリアッチさんの居宅で間違いないでしょうかー」


ドアを叩くリオハの後ろには多くの人だかりが出来ていた


「はーい…?どちら様でしょうか…」


「私オーロライト王国メガロス大隊所属のリオハ少佐と申します、マリアッチさんのご家族で間違いないでしょうか?」


「え…あ、は、はい…母親です…」


「すみません、萎縮させるつもりは無かったのですが…用件を話します、こちらを。」


マリアッチを担ぎ金髪の男はかっこつけて話す


「こちら、あなた様の娘です。」


「ま、マリィ!?行って帰ってこないと思ったら…!」


一先ずということで家に上がり話をすることとなったリオハ一行…


「このバカ骨はいいとしてなんで私も入れないのよ!おかしいでしょ!」


「うるせぇなぁ…怪我人がいるんだから静かにしろ」


「そうよアスモ、私達は悪魔…と骨、人間は見た目の違いを怖がるのよ。」


スリーフと悪魔三人を除いて。


「そんなことが…うちの子を守ってくださりありがとうございます…分かりました、いくらでも泊まっていってください。」


「いえ、翌日には出ます、お気遣い感謝します」


事情を話し、宿泊許可が出たのでマリアッチ邸で泊まることにしたリオハ達であった








「ごふっ…クソっ!あの様な人の子がいるとは聞いていないぞ魔王よ…」


「ふん、助けてやったというのに偉そうだな」


「なに?その星座、誰が貸してやってると思っている、貴公とは文字通り次元の違う神から~…」


「もういい、戻れ、縄。」


なんとか生き延びた魔王とイスカリオテは文句を言い険悪な雰囲気となっていた


「あれもこれもあやつ…ドワーフのせいだ…余は一刻も早くこの世界を滅ぼさねばと言うのに…!」


「だが…そうはいっても魔力とこの怪我…今は眠るしか無いか…」


とある平原、城の跡地で諸悪の根元は眠る…








「なんだよ…これ…」


セントゲートへ辿り着きジャックの部屋の戸を開けたグリドールは目撃する、緑の鎖に全身を拘束されているジャックの姿を。


「どうして…こんなことに…!」


「…お帰りなさい、グリドールさん。」


「っ…!?」


グリドールが振り向くと、そこには月夜に照らされているはずが目に光を宿していないルナフェナの姿があった。


「ルナフェナ…説明は後でする!ジャックに何が起こった…!教えてくれ!」


「あなたが居なくなってから…ジャックさんはずっと眠っていました、それが2日前、容態が急変。」


「心拍数は一分に数回…体温も私が調節しないと低くなり…仮死状態のような感じです。」


「…俺の、せいなのか。」


「まだ決まった訳ではありません、私も手を尽くして生命維持をしています、ただ…」


「…何だ。」


嫌な予感を感じながらグリドールは質問を投げ掛ける


「ジャックさん、魔力が魔王の物に酷似していっています…つまり、魔王かグリドールさんが想い人の呪いを変化させジャックさんを苦しめている…」


「…!」


「どちらかは分かりません、ここからは次の日に話しましょう、私…疲れて…て…」


倒れたルナフェナの顔はクマにまみれ疲労を隠せずにいた。


「くっ…」


魔王への怒り、それと同時に襲い掛かる自分が何も出来なかったことへの無力感。


「くそっ…俺は…俺は…!」


パーティがこんな状態になっていると言うのにすぐに駆けつけてやれなかった自分への…失望。


その全てがグリドールの頸に刃を向けていた。










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