1話 西ト東
「こういう場所で仲間と離ればなれ、君ならどうする?」
「え!?、えとわたすなら~」
分隊で唯一2人で排出されたトリスとマリアッチは城壁を伝い歩いていた
「み、皆と合流するために大声で場所を知らせます!」
「魔王城でそんなことする人いたら驚きだね」
「あぇ…そ、そうですよね…じゃあトリスさんならどうするんです?」
「そうだね、僕なら…」
トリスが話そうとすると奥から人が裸足で走ってきて助けを求める
「わ!生存者ですよ!大丈夫ですか~っぐぇ!」
マリアッチは走ってくる人に駆け寄ろうとするがそれをトリスは首根っこを掴み静止する
「な、なにするんですトリスさっんむむ!」
「ここにいてね。」
マリアッチの口を封じトリスは生存者とおぼしき人物に笑顔で近付く
「たっ、助けてくれ!奥から魔物が!」
「こんにちは、大丈夫ですか?怪我とかはっ!」
トリスは腰に帯刀した仕込み刀を使い生存者の首を切り落とす
「ぐぎぎぎ!ナンで!ナンデきじゅいた!」
その落とされた生首から小さい翼が生え見た目は魔物のようになりトリスに攻撃を仕掛ける
「だってお前、心臓の鼓動音がしないもん、擬装するならそこも徹底しないとだめだよ?」
「ぎゃぎ!だまりぇ!シネ!しね!」
「よっと、動きも単調、何でお前みたいな奴が魔王城にいるんだ?」
そう言い捨てるとトリスは一閃を放ち魔物は塵となり消えていく
「塵…?おかしいな、魔物なら何も残らず死ぬはず…」
「んー!むー!」
「あっごめんね、急にお口縛って、今解くね。」
ただ口を縛られただけではならないレベルでマリアッチは怯えトリスに何かを伝えようとしていた
「んはっ!トリスさん!後ろです!」
「え?」
瞬間、トリスは蛇の頭と翼を持つ人形の魔物に啄まれる
「うおっと、ちょっとこれはヤバいかも…」
「い、今助けますからねトリスさん!」
だがしかしトリスは刀をゲートに入れたはいいがどこにあるか分からずマリアッチの杖は融解しその役目をほぼ果たせずにいた
「魔法が上手く出せない…魔力の通り道が溶けた杖で阻まれてる…!」
「こんなっ…短刀じゃきついね…」
仕込み刀を振り回し蛇の頭に刺すも効果は薄くトリスは飲み込まれそうになっていた
「ぐっ…2年間ありがとうわたすの杖!そしてごめん!トリスさんを救いたいの!」
その光景を見てマリアッチは無理矢理魔法を発動しようとする
ジジ…ジジ…ビッ!
杖にノイズが走ると溶けた箇所は開きそこから残りカスのようなイオンビームが照射される
「うわ…っと、危ない危ない…」
蛇の頭はイオンビームにより胴体と泣き別れとなり体は翼を動かしどこかへ飛んでいく
「応えてくれた…!」
仕事を終えたかのように色素が薄くなりマリアッチの杖はただの木の棒となる
「ありがとうです、杖さん。」
「んなこといってる場合じゃないよ、ほら前見て」
絶望的状況を知らせるかのように先程の蛇頭の怪物が数十体こちらを獲物をみる目で見ていた
「ひえぇ…杖が無いと魔法はほぼ打てないのに…」
「魔力放出は出来るでしょ、さぁ動いた動いたっ!」
トリスが先陣を切り今城壁東にて争いの火蓋が最初に切って落とされる。
一方、グリドールは…
「どけ。」
「やだよ~魔王様から言われてるの、侵入者はぜーんぶ殺してもいいって!あの方優しいよね?ね?」
「貴様…!人の命を何だと…」
「命?人間は変なことを言うねぇ~」
城壁西にてハエに囲まれ謎の少女と口論をしていた
「命~とか人生~とかさぁ…陳腐なんだよ、全部ただの事象!そこに意味なんて無いの!実際君達人間は僕の子供のハエを殺すよね?」
「てめぇ…!」
「そんな人が命を語らないでほしいなぁ~?じゃもう飽きたから死んでいいよ。」
少女はハエをグリドールに仕向ける
「悪いが、こんなとこでガキに手間取るわけにゃいかないんでね。」
その全てをはたきおとし少女は唖然とする
「ぇ…僕の子供達…?」
「子供なら戦いに参加させんじゃねぇよ。」
グリドールは頭を鷲掴みしそのまま潰しきる
「お前も、俺も、命を語る資格は無い、だが一番は…!」
魔王がいるであろう本丸へグリドールは仲間そっちのけで向かっていた




