12話 争いの予感
「いいですか、まずこれが私たちの最終防衛ラインです、でここが相手の本拠地です」
「私達の勝利条件は魔王の殲滅、かつ王を守りラインを崩さないことです。」
ルナフェナは作戦地図を広げテキパキと駒を動かす
「こちらの軍勢は約45万、ですが相手は魔物、数は未知数です。」
「劣勢だな…あいつはいるのか?あの大陽の…」
「彼は…立場上中立を貫いてます、生物同士の争い事に彼が関わるのは禁忌だとか…」
相手との戦力差が不明な今、慎重な選択と寸分の違いもない決断が求められていた
「…魔王を倒せば相手は退きます、でも魔王の城に戦力を割くと建物や国民の命が犠牲になるんです」
「そうか…なぁ、どうにかして平和的解決は取れないのか?」
「それが出来たらこうなってませんよ、魔物は対話も知能もない、原始的欲求で生物を殺すんです」
「魔王なら…どうだ?その種族でトップって事だろ、もしかしたら話したり出来るかも…」
「可能性は低いですがあり得る話ではあります、とにもかくにも城へ攻め込まないと無理ですが…」
「そもそも王国側は何をしてるんだ?外に兵士の1人見掛けなかったが…」
「貴族の護衛にほぼ全ての兵力が割かれてます、正直使い物になりません、だから私が結界を張ってどうにかしてたんです。」
「ここからは少し憶測の話にはなるんですが…」
「魔王城にいると思うんです、人質が。」
「…そうか、何でだ?」
「ヴァイラちゃんの魔力探知の結果魔王城の最深部に大きい魔物の気配が1つ、人間の気配が数千あったそうです」
「そして裏付けに1週間程前、王都にて大量の行方不明者が続出したそうです」
「あいつら…何する気だ?」
「まだ分かりません、でなんですが…普通魔物を討伐するのは行政の許可が無いと出来ません、でも今はそれが機能していない、だから魔王城に行って討伐が出来ないんです」
「そこで救出なら民間で出来ます、つまり私達は人質の救出をしてついでに魔王に話を付けるんです」
「よしそれで行こう、救助がメインだな」
「一応明日にでも行けますよ、今日はグリドールさんも少し休暇を取りましょう」
「あぁ、そうだな」
そうしてグリドール達は眠りについた、一方その頃トリスは…
「こんにちはー元気ですかー生きてますかー」
「あぁ…お前か…最悪だよお前ら無能が魔物を退けないせいで私の娘も気を病んでる!さっさとあいつらを駆除せんか!」
「はいはい…仰せのままに」
トリスは王の城に赴き貴族の安全を一晩中確認していた
「さて…ここは終わったから次は…おや君、こんなとこで何を?」
トリスは廊下を歩き、フードを深く被った人影がドアの前で何かをしようとしている現場に出くわす
「君、そこはセルード公爵の部屋で…!」
人影は振り向き、その顔をトリスへ見せる。
「あぁ知ってるさ、今からそいつをぶっ殺してやるところだからな」
フードを下げると、月夜に照らされたのは正に魔物であった、警備の堅い王宮に魔物が侵入する異常と会話にトリスは落ち着きながら刀を抜く。
「これ、痛いから我慢してね、ナマクラだもん。」
「それはどうかなトリスタン…」
自身の名前を呼ばれ少しばかり硬直するトリスに魔方陣を向け魔物は煙を出しそれが晴れた頃には魔物の姿は消えていた
「何故僕の名前を…いやそれより侵入されて…」
その場で考えるトリスの出す結論は…
「内通者…!どこかに魔物と通じている者が居るな…」
内通者がいること事を皆に伝え、より一層警戒心を持つトリスであった




