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10話 予感

あれから2日経ち、グリドールは留置所にて軟禁されていた


「はぁ…何で俺あんなことしたんだろ…」


ため息を漬くも部屋に一人、孤独にて暇なグリドールは2日間を振り返る


「確か俺はあの後裁判になって…」


グリドールのパーティを侮辱した男の名はラッツと言い、目覚めた後グリドールに処罰をと裁判所へ駆け込んだそう。


結果、横に居た踊り子等の証言と耐え難い精神的苦痛を受けた上の正当防衛としてラッツへの接近禁止令と1ヶ月の留置所にて経過観察の罰がグリドールに下った。


「はぁ…みんな大丈夫かな…面会謝絶何だよなこの刑罰。」


嘆くグリドールの部屋に足音が迫る


「お、飯かな…」


戸の隙間から外を覗くとそこにはトリスの姿があり、今正にグリドールに話し掛けようとしていた


「えーっと…ここで合ってるかな…ここ匂いも音もあんましないから分かりずらいんだよね。」


「合ってるぞ、よぉトリス、元気してたか?」


「やぁグリドール、僕は上場さ、君も…元気…そうでなによりだよ…」


「あぁ、ここは最高だぜ、くそったれのネズミと虫がうようよいるからな。」


一つの扉を挟みグリドールとトリスは会話を続ける


「で何でお前が来たんだよ、面会謝絶の筈だが?」


「僕がお偉いさんに話を通してもらってね、ちょっと話したいことが…長くなるから音楽でも掛けるかい?」


「あぁ、頼むよ古臭い音楽じゃなかったらな」


トリスが書類を纏めている内に蓄音機からクラシックが流れ始める。


「カノンか、確かに俺も1000年生きてたらこれを選ぶな」


「はは…いいだろう?この曲の著作権がまだある頃から聞いてるんだ、作曲家にも会ったことがあるんだよ。」


そうしてトリスはグリドールにとある事を話す…


「前回の人魔大戦、世界が混沌に包まれ人類が負けたときの物だ、その時に魔物の量、大きさ、狡猾さ等が数日で跳ね上がる現象が起きたんだよ。」


「へぇ…そりゃルナフェナが喉から手が出る程喜びそうな情報だ、でそれが何だ。」


「君がここに来るまでの間、それが起きてるんだよ、安全地帯と言われていたエルフの里にさえ魔物が侵略していってね」


「僕はこう推測するんだ、次こそ完全に人類を死滅させる為、魔物達がアップを始めているんじゃないかってね」


グリドールは気付く、確かにこの留置所に護衛兵や人が余りにも居ないと。


「気付いたかな?そう、始まるんだよ、次の大戦がね、今回のは規格外だよ、魔王がいるからね」


「それで、人類の勝機は…?」


「うーん…ほぼ0かな!」


「そうか…で何で俺にこの話を?」


「決めて欲しいんだ、戦うか、負けを認め辺境に人類が住み続けるかをね。」


「愚問だな…ドワーフは戦士の種族!敵の首を取ることが誉れ!戦うさ…!」


「勝機が無いのにかい?君ほんとに前から思ってたけどなんというかさ…」


「先は言わなくていい、それは慣れてる…!」


グリドール、禁固1ヶ月の予定をトリスに助けられ僅か3時間で脱出、勇者候補試験に続き最速で脱獄に成功したのは後にも先にも彼のみであろう。


留置所を出、とうもろこし畑を駆けるグリドールはトリスに案内されるがまま走り続ける。


「目隠しされてたからここが何処かわからん!案内役が居て良かったぜ」


「君前と比べて強くなったね、今なら万全状態の僕に勝てるんじゃないかな?」


「お世辞はやめるんだな、今も蓄音機を肩に担いで走る奴に言われたくないね。」


談笑しているとは思えないほどの速度で王都へ向かう2人であった。


「あの情報、王やその側近に伝えたんだろうな?」


「もちろんだよ、君のパーティにもね、あの人間の女の子は部屋に閉じ籠って居なかったけどね~」


「急ぐ理由が出来たな…着いてこいよ!」


「はいはい…」


更に速度を付け王都へ血眼で急ぐ2人であった。





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