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9話 怒りの日

「何か見えてきたぞ?んだあれは…」


「ちょっと飛ばすよ!」


ヴァイラに揺られ4人は要塞の会場へ着く…


「でかい戸だな…こじ開けるか!」


グリドールの脚が戸を開け、要塞内に侵入する4人であった


「ふぁ~あっ、受験者まだかな~?」


あくびを立て雑誌を読む試験官は玉座に座り受験者を待っていた


「ん?あれ?!ちょ、ちょっと!君達!」


「おっ何かいたぞ」


「君達もう着いたの!?ここ最後の会場何だけど!?」


「マジか…俺ら全部すっとばして来たのか…」


驚く4人よりも驚愕する試験官であった


「あ~…えっとね、私は一応魔王役なんだけど…試験やる?やんなくてもいいけど…」


そうして4人は歴代で最速で勇者候補試験をクリアした


他の受験者達がクリアした後、4人はクリア者を表彰するパーティーに招かれていた


「え?やだよんなとこ、どうせボンボンしかいないんだろ?」


「行きましょうよ…せっかく招待されたんですから、顔だけ出すだけでも…」


「行ったほうが楽しいっすよ?美味しいご飯もありますし!」


「わたしお腹すいた~」


嫌がるグリドールを全員で引きずりパーティー会場へ着く4人であった


「はぁ…何で俺がこんなこと…」


「お次は!30分でクリア!グリドールパーティでございます!」


「では、その俊足を称えここに表彰を…」


「おいおい!んな奴ほっといて僕を称えろよ!」


会場内に響くはガラの悪い金髪の男の声であった、どうやらこの男は貴族の出らしく、グリドールの表彰を途中で止める程権力のある者だ。


「え、えーでは、ここにその勇ましい勇気と人情溢れる者を称え勲章を…」


「はぁ…これだから金持ちは嫌いだぜ…」


「ふん、汚らわしい服だな、まぁドワーフはそういう物か!泥にまみれる下品な種族め!」


「…」


会場内はざわつくが、男に物を言うと何をされるか分からないため誰も異議を申し立てていなかった


そうして全員の表彰は終わり、グリドールは自身のパーティの席へと戻っていった。


「グリさん!大丈夫だったっすか!?あんな種族差別をする輩まだいるんすね!」


「声を大きくするなジャック、穏便にいこう。」


あくまで事を荒立てないようにするグリドールであったが、男のズカズカとした歩行音が近付いていた


「おやおやおや!まだ居たのかドワーフ君!そちらに居るのは君のパーティメンバーかな?!」


横に踊り子を侍らせ傲慢に語る男は次々と言葉を悪くしていった


「おやおや!そこに居るのはあの忌まわしい竜のハーフではないか!下品にも角を大きくしているなぁ?」


「それにエルフまで!気色の悪い耳!のほほんとした顔がむかつくんだよ!」


「それにお前!リーダー気取りか?そんな小さい身長で生きてられるなぁ!?」


男はグリドールにぶどう酒を掛ける


「グリドールさんをばかに…!」


「ヴァイラ。」


グリドールの制止の冷たい言葉がヴァイラに深く刺さる


「立場を弁えたまえよこの混血め!」


「ぐ、グリさん…」


「おや君は人間か!良い見た目だなぁ?おいお前僕のパーティに入れよ!」


男はジャックの肩に手を寄せ、ボディタッチを続ける。


「それにこの胸!僕の好きな形と大きさだ!」


「ぃ、いやっす…やめてっす…」


「はぁ?こんなの揉んでほしいって言ってるようなもんだろ!」


瞬間、男の装飾ばかりの鎧が軋む、グリドールは男の左腕を掴み力を入れていた。


「お前…何利きだ。」


「はぁ?!その手を離せよこの下穢な…!」


男は気付く、目の前のドワーフの力が想定外であることに、既に血管を止められ、跡が着くほど腕が強く握られていることに。


「お前、何利きだ。」


「ぐっ…!こ、この!離せよ!」


男の腕は軋み、骨が悲鳴を上げる。


「ぁがっ!み、右!右利きだよ!」


「そうか。ではこのままやるぞ」


そう、グリドールが何利きかを聞いていたのは利き腕を壊さない彼なりの優しさであった、がそれと同時に強い怒りが渦巻いていた。


「指を泣き別れにしてやろう。」


「ひっ…!ゆ、許して!僕が悪かった!命だけは…」


「命は取らない。」


30秒程握ると、骨は粉々に砕け男の悲鳴が会場に響き、グリドールのパーティは絶句していた


「ぐ、グリさん…も、もういいっす!気は済んだっす!だからその人の手を…」


ぱっと腕を離し、男は地面に倒れ気絶した。


「少し、やり過ぎたな…」













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