8話 勇者候補試験 其の二
「あーっはっはっは!アンタ達運が悪いわね?いや頭かしらぁ?」
「な、なんだあのむかつくガキは…」
巨大な狼型魔物の上に立つは体中に鎖を巻き付けている華奢な少女であった
「あたしはセル・ターナー、試験官よ、ここのエリアを管轄している超聡明で可愛い人よ。」
「あそう、でこいつは?」
「それはあたしのペットのワンちゃんよ、今からアンタ達をめっためたにする可愛い子よ!」
「そしてあたしとこの子を倒さないと先には進めないのよ!」
狼型魔物は咆哮を上げ、体に着いている鍵穴を音を立てて震わせる。
「あの人はどうやら操作系魔法をあの狼に掛けていますね、あの鍵穴が魔力源です。」
「あら気付いたのね長生きエルフさん、そうよ、あたしの持っている鍵を差し込まないとこの子は倒れな…」
狼の土手っ腹にグリドールの拳がクリーンヒットする、それと同時に狼も叫びセルターナーは姿勢を崩す。
「うぉわ…ちょ、ちょっと!アンタ本気でやってるの!?この子はね、とっても強くてぇ…!?」
「知らねーよ…死ぬまで殴りゃ死ぬだろ。」
「はぁ!?もうなんなのアンタ!?」
グリドールの連撃が狼を襲う
「あの様子だと仕掛けは関係なさそうっすね~」
「グリドールさんに任せて私達は休んでましょうか」
「グリドールさんがんばれ~!」
鈍い音が広い会場に響く、グリドールは調子を取り戻すかのように狼をサンドバッグにして殴り続ける
「ふんっ…手応えは…少しはあるな…!」
「ちょ、アンタ趣とかは無いわけ!?信じらんないんだけど!」
「勇者が敵の得意な土俵で戦う…とでもっ!」
「あーもう負けでいいわ!これ以上やったら本当に死んじゃうから!早く次進みなさいよ!」
「お、早いっすね」
セルターナーから鍵を貰い次の会場へのドアを開ける4人であった…
「ふぅ、丁度いいウォーミングアップになったぜ」
「あれはやりすぎな気もしますけどね…」
「ついた~!看板あるよ!」
4人は分かれ道の真ん中に置かれた看板に目を向ける
左は辛く短い 右は楽で長い
この選択が 勇者の分け目である
「うーん…あの試験官のレベルを見るに左を行ったほうが良さそうだな、制限時間もあるし、ルナフェナ残りいくつだ?」
「残りは3時間です、急ぐほどでは…」
「でも少し引っ掛かるとこがあるっす、この選択が~のとなんかおかしいと思わないっすか?」
「たしかに…わざわざこれを書くのは意味がないとおかしいもんね!」
4人は看板の前で難航していた、その間にも、次の試験官や会場が刃を研ぎ澄ませている…
「少し観てみるか…」
「みる?なんの話っすか?」
グリドールはゴーグルを下げ、目に神経を研ぎ澄まさせる
「ちょ、グリさん?何か言ったらどうっすか?」
「上だ…」
「うえ?」
グリドールは3人に説明する、4次元の3次元断面を見た結果、視覚ではなく感覚で直感的に上だと感じたと言う。
「で、俺は上だと思うが…」
「なにいってるかてんてこまいだよ~…」
「まぁ、時間ありますし試してみますか!」
「そっすね!物は試しっす!」
そうして3人はヴァイラの体に掴まり天空へと浮上していった。
「みんな重い…」
「悪いなヴァイラ!いかんせん俺は筋肉量がな!」
「ほとんどは自分の装備品だと思うっす…なんか申し訳ないっす!」
「こう…揺られると…何だか眠くなってきました…」
飛ぶこと早10数分、4人は遠くのほうに要塞のような物を発見する…




