7話 勇者候補試験 其の一
「あらグリお帰り!どうしたのその人達は?」
「ただいま母さん、こいつらは俺の勇者候補試験のパーティメンバーだよ、泊めてもいいか?」
「えぇ構わないけど…」
「どうも、私はルナフェナです、一応ヒーラーやってます。」
「わたしヴァイラ!覚えてもいいよグリドールさんのお母さん!」
一行はグリドールの実家に泊まり、試験までの1週間を過ごすことになった。
「これ食ったことあるかヴァイラ?」
「これなに?焼いた生地を重ねてる?」
「ヴァイラちゃん、これはパイよ、このフォークを使って食べるのよ」
ヴァイラはフォークを握りパイを切り分け口に運ぶ
「ん~!美味しいこれ!もっとちょうだい!」
「あはは…ヴァイラちゃん、よく食べるようになりましたよね。」
「あぁ、あの頃より角も体も成長してるし、やっぱり子供っつーのはすげぇな」
「あら!グリもまだまだ私から見たら子供よ?貴方もちゃんと食べて試験に備えなさい!」
「はいはい…」
グリドールの母を含む4人は団欒とし食卓を囲んでいた、その時、扉からノック音がする。
「誰かしら?はーい」
「おっ来たな…」
3人はほくそ笑み、戸を叩く者の姿を待ちわびる。
「来たっすよ!」
「おう!お帰りジャック!」
「はいっす!ルナさんもヴァイラちゃんもただいまっす!」
「お帰りなさい、ジャックさん、待ってましたよ」
「おかえり!」
「グリ…本当にパーティメンバーが出来たのね…もうお母さん感動だわ…!」
「はは…大袈裟だって…」
ジャックも加わり1週間はあっという間に過ぎていった
「で、どうします?試験の内容は毎年隠されてて前回の例とか見れないっすよ?」
「ふん、なめてもらっちゃ困るな?俺らはもう既に一級レベルの勇者パーティさ、どんなものが来ても…」
「わたしがやる!」
「私も居ますから存分にやりましょうね。」
今正に勇者候補試験の会場に一致団結を表すパーティが入場する…!
「すー…」
「言いたいことは分かりますよグリドールさん。」
「試験の内容が料理だなんてな…」
意気揚々と戦いの準備をしたはいいものの、試験の内容は戦場にてどれほどの柔軟力やサバイバルスキルが必要かを知らしめるものであった
「俺…肉丸焼きにして持っていったら試験官にとんでもない顔されたぜ…家だったら褒められるんだがな」
「私も失格です…ジャックさん、何か出来ます…か…」
ルナフェナの目に飛び込んだのは、ヴァイラが調味料などを取る助手をし、ジャックが調理を主とする圧倒的な連携料理であった。
「はい、完成したっす!」
「ほう…これはなかなか…」
試験官の喉を唸らせるほどの料理の味にグリドールのパーティはぎりぎり合格となる。
「あージャックがいて良かったぜほんと、でも何であんな料理が出来るんだ?」
「確かに気になりますね」
「わたしは生まれつきのせんすだよ!」
「それはちょっと言えないっす…」
「えーもしかしてジャックさんグリドールさんに嫁ぐ為に料理を学んだんじゃないんですか~?」
「ち、違うっすルナさん!あいや厳密には違わないっすけど!とにかく次のステージへ進むっすよ!」
4人は茶化しあいながら奥へと進んでいった…
「!後ろの扉が閉まった…!?」
「どうやら閉じ込められたみたいっすね…」
「みてあれ!なんか書いてある!」
ヴァイラの指差す先にはこう書かれてあった
朝は四つ足、昼は二足、夜は三足で歩き、明朝には羽が生える生物は何か。
「なぞなぞか?」
「のようですね、制限時間があるのでこんなとこで足止めされてる場合じゃないんですが…」
「こんないきもの見たことないよわたし!答えは存在しない!」
部屋が赤く光り、床が抜け4人は底へまっしぐらに落ちていった
「あー間違えちゃいましたね…まぁまだたっぷりと時間はありますし気にせずぅお!?」
ルナフェナ達は床に激突し、体を擦りながら立ち上がる。
「普通こういうの床柔らかくするだろ…」
「いってる場合じゃないっすよ、戦闘態勢に入るっす。」
既にヴァイラは柱の影へ魔法陣を向けていた、その気配を察してか奥より巨大な狼のような魔物がのそりと出てきていた。
「さて…やるか!」
なぞなぞの答えは人間、朝(幼少期ハイハイ歩き)=四足
昼(成年期二足歩行)=二足
夜(老年期杖をつく)=三本足
明朝(死や魔法によって飛ぶ)=羽が生える




