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2話 遭遇、可憐な角の少女

崩れた洞窟内にて、2人の男は慎重に足を進めていた


「なぁルナフェナよ、聞いてもいいか?」


「はいなんでしょう」


「なぜエルフなのに地質学を学んでる?エルフは学ぶとしたら自然や生物学だろう」


「あーちょっと自分産み親と育て親が違って…」


その話を遮るように獣のような唸り声が洞窟の奥深くから響き渡った。


「ひぇ!、なんですかまたおっきい蛇ですか!?」


「一応構えておけ。」


さらに慎重に男達は声の主を探すため、足を進める


「話戻すんですけど、自分ゴーレムに育てられてて…それで地質学を…」


「おどろいたな、子守りゴーレムか?」


「いやそれが戦闘用で、大変だったんですよ」


「戦争で傷付いたゴーレムを癒すために治療魔法も学んだんです。」


そんな話をして30分が経とうとしていた時、声の主を男達は発見する


「これは…」


「また魔物ですか!?もう嫌ですよぉ…」


「いや違う」


「じゃあなんなんです!」


男達の視線の先には、角の生えた可憐な少女ぐったりと横たわっていた。


「獣人か…見たところ竜と人のハーフだな」


「珍しいですね…ってこの子怪我してますよ!」


少女の体はその肌色には似合わない血が滴っていた


「どうする?殺すか?」


「なんでグリドールさんはそんな血気盛んなんですか!一応治しますよ…」


「え…えーっと君、大丈夫かい?」


少女はグルルと唸ると力を振り絞るかのように腕を光らせ、光弾をルナフェナ目掛けて放った。


「ぐぇ」


ルナフェナの体に光弾が貫通し、ルナフェナの腹に大きい穴が出来た。


「攻撃性…!殺す!」


グリドールが武器を構えた瞬間、ルナフェナが口を開いた。


「もー痛いじゃないですか!何するんです!」


グリドールが振り返ると、ルナフェナの腹の穴はすっかり塞がっていた。


「自分ゴーレムの加護付いてて多少の攻撃は治るんですよ」


「それを先に言えこのどんくさエルフ…」


「す、すいません…」


グリドールが呆れていると、少女は力尽きたように倒れた。


「ぇ、えー!?死んじゃった?!」


「いや脈はある、ほらっ治せよ」


少女を乱雑にルナフェナの元へ投げるグリドール。


「ち、ちょっと患者なんですから大切に扱ってくださいよ…」


ルナフェナが少女に手をかざすと、空中に魔方陣が浮かび、少女の傷は癒えていった。


「ん…」


「お、目を覚ましましたよ!」


「!」


少女は起き様に自分を介護したエルフ目掛けて拳を振った


「あいた!」


その隙に乗じて少女は岩肌に飛び移り、唸りながら口を開いた。


「にんげん!なにした!」


「人語を話す獣人は珍しいな、国に渡すか。」


「呑気に虫食べてる場合じゃないですよグリドールさん…」


「あーちょっと、動くと傷が開くよ!」


少女はまた倒れ、小声で助けを求めた


「ごはん…」


「えぇ…とりあえず私の夕食の残りでもあげますか」


ひとしきり食べた後、少女は警戒心を残しながらエルフに感謝を伝えた。


「にんげん…ありがとう」


「いえいえ、というより質問したいことがいくつかあるのですが…」


ルナフェナが少女に質問責めを始め、少女はたじたじになりながら答えた


「なまえ…ゔぁいらっていう…」


「おやしんだ…おなかすいてた…」


ヴァイラが赤裸々に語ると、2人の男は興味深く話に聞き入った、拙い言葉であったが十分にその意図は伝わっていた。


「ことば…おとうさんからおそわった」


「まほうはうまれたときからつかえる…」


「へぇ…獣人の魔法使いか…魔力も期待できるな。」


「帰る場所もないそうですよ、どうします?」


2人がこれからのことを話しているところに、ヴァイラは心配と不安の目で2人を見つめていた


「あー大丈夫だよ、君は私が保護するからね。」


ルナフェナが優しく声を掛けると、ヴァイラは落ち着いた表情をもろに顔にだしていた。


「ありがと…にんげん…なまえなに?」


「私はルナフェナ、こちらのお方はドワーフのグリドールさんですよ」


2人から3人になった一行は、洞窟のさらに奥に向けて体を向ける…







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