19話 乱雑
「さん…!グリドールさん起きて!死なないで!呼吸をしてください!」
(何か…聞こえる…確か俺は切られて…)
「いいねぇ友情ってのは、死の間際でも通じる。」
「ルナフェナ…にげろ…」
月の光に照らされる赤い眼光と黒刀は恐怖の象徴であった。
「私はね、こう思うんだ、弱い人は死んでもしょうがないとね」
「あなた…!人を何だと思って…!」
「少し黙ろうか、人が話しているのを遮ってはいけないよ…えっと…ルナフェナ君。」
喉を切られたことを認識するまで時間が掛かるほど早い太刀をルナフェナは避けられなかった。
「あが…」
「でもね、死ぬのはいけないとも思うんだ、だから私は守る、でもね、それに感謝は来ないんだ。」
「なにを言って…」
「話さない方がいいっすよ、傷が深まるっす」
颯爽と現れたるわ恐怖心に駆られ震えを抑えきれない様子のジャックであった。
「おや…もう2人気配がすると思ったら女の子か、かわいい顔をしているね、私にはそういう趣味はないから眠ってもらおう。」
「そうはいかな…」
すとん、と首に手を落とされその場にへたり込み絶望が目の前まで来ていることを再認識するルナフェナはそのまま気を失ってしまった。
「じゃあ、話の途中だけど私は私の役目があるから、ばいばい」
全身から血を吹き出し、また喉を切られ治療もままならない最悪の日の出を迎える3人であった。
(何だこれ、太陽の光が燃えるように痛ぇ、切られた箇所から出欠が止まんねぇ…)
(気が遠のいて…俺…死ぬのか?あんなやつにやられて…)
「グリドールさん聞こえてるか分かんないですけど大丈夫ですからね!私が今治しますから…!」
「だから…だからお願いだから死なないで…!」
「お前はもう話すな…傷が開いて…」
辺境の地にて、血だらけのドワーフと絶叫しているエルフに、力及ばず眠っている人間の姿がそこに、確実に居た。
歴戦を積んだグリドールのパーティは僅か2分で壊滅してしまった…
「ん…」
「起きたっすか!あぁ良かったっす…」
グリドールが目覚めると、横には目に隈を残して寝ているルナフェナとジャックが居た
「俺、どんぐらい寝てた?」
「ざっと3日っす、ルナさんが寝ずに看病してくれたんで助かってるんすよ~」
「ルナフェナ…ありがとうな…」
ルナフェナの頭を撫でながら自身のパーティに起こったことを淡々とグリドールは説明されていた
「まずグリさん、もう傷は治ってるっす、あの人の切った所がめちゃ綺麗だったらしくて…」
(あいつ…マジで何だったんだ…?)
「自分とルナさんも無事っす、でも…その…」
「なんだ?言ってくれ。」
「ヴァイラちゃんが…連れ去られたっす…」
少し衝撃を受け狼狽えるグリドールの眼の前に一つの手紙があった
「竜人は預かった、返してほしければ西の古代遺跡に来い、だと?」
「ヴァイラちゃんの寝床に置いてあったっす…」
「あの野郎…今すぐにでもぶっ殺して…」
「流石に今行ってもボコボコにされて敗走っす…」
「まぁ、そうだよな…」
あの夜のことを思い出す2人の感情は悔しさと剣技の美しさの感動で渦巻いていた。
「自分、何も出来なかったっす…成す術もなく寝かされて、ヴァイラちゃんまで奪われて…」
「あれは次元が違いすぎる、しょうがない、と俺も思いたい…」
「これからどうするっすか?」
「取り敢えず手紙通り西の遺跡へ向かおう、遺跡ならこいつが詳しいはずだ。」
戦闘に負けたショックでジャックは気付いていなかった、ポケットに大事に閉まっておいた時計が無くなっていたことに…
キャラクターの見た目設定
グリドール 年齢23 身長155cm 茶の入った黒髪
ジャック 年齢21 身長160cm 黒髪
ルナフェナ 年齢470↑ 身長178cm 長い耳と金髪
ヴァイラ 年齢??? 身長143cm 角と銀髪
他のキャラは自己保管でお願いします




