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17話 赤黒い脱出

「脱出の見込みはあるのか?」


「あぁ、一応はな、だが少し問題がある。」


スリーフは黒板に数式を書きながら3人に説明する


「いいか、この洞窟は空間が歪んでる、これは俺がミスったからだ」


「んで俺の計算によると空間と時間はほぼ同じなんだ、つまり空間が歪むと時間も歪む。」


「だから俺は体が腐敗せず骨だけになった、と思う。」


ジャックは興味津々で身を乗りだしグリドールは理解が追い付いていなかった。


「結論から言う、脱出はできる。」


「おぉ」


「だがここから脱出すると時間のズレが発生すると俺は推測する」


「えっと…その時間のズレはどれぐらいあるっすか?」


スリーフは黒板の数式を解き、24h=30dという解を出した。


「…!?マジか…」


「多分あたし達が来てから18時間は経ってるっす…」


「もし覚悟が出来てるなら今すぐにでも出れるぞ」


スリーフは手を宙に翳し、そこから裂け目のようなものが現れた。


「ここから出れる」


「お前はどうするんだ?」


「俺は残るよ、ここを調査したいしもし外に出てそのまま死んだら嫌だからな。」


「早い方がいいっすよねこういうの、ヴァイラちゃんが心配っす…」


1日で帰ると言い、数週間置き去りにされた少女の想いを想像するだけで心が痛くなる2人であった。


「ルナフェナは俺が担いでいこう」


「じゃあさよならっすスリーフさん!」


「あぁ、また何処かで会おうじゃないか諸君、無事を祈るよ。」


裂け目をくぐりると当たり一面の草原が目に入り込んできていた。


「ん…随分久しぶりな感覚だ…」


入ったときに置いてあった新品の看板はツタに侵され見えなくなっていた。


「そういやこの看板誰が置いたんすかねぇ」


「さぁな、というより早くヴァイラの所へ帰ろう」


「私ちょっと歩けなさそうです…」


「あぁ、その為に俺がいる。」


3人は軽快な足取りで吟遊詩人の街へと戻っていった



「あれ、ヴァイラいない…?」


「えぇ~!やばいっすよ行方不明っす~!」


宿の部屋からヴァイラが消失したのを確認したのも束の間、外の森の方から雷撃のような轟音が背筋を這うように伝ってきていた。


「嫌な予感がする…」


「自分もっす…」


「ルナフェナはここで休んでろ、傷が開くと危ない。」


2人は外へ駆け出し森の様子を見ることにした…


「こりゃ…災害みてぇだ…」


幅10M程の大木が何らかの攻撃により風穴が空いていたその様子は正に台風の過ぎ去った後のような恐怖が2人に伝わっていた。


「確か音はこっちから聞こえた筈っす」


「…!ヴァイラ!」


2人はヴァイラの姿を発見したが、その姿形はヴァイラとは言えないほど変形していた。


角は血で赤黒くなり、歪で鋭利になり爪は伸び四足で移動するその姿は正に野生動物そのものであった


「ヴァイラ…?お前大丈夫なの」


「グリさん避けて!」


グリドール達を見るなり牙を顕にし襲いかかったヴァイラは人の言葉を話せないといった感じだった。


「置き去りにして悪かった!取り敢えず落ち着け!」


「なに言っても無駄っす!取り抑えるっす!」


「なぁヴァイラお前に何があったんだ、教えてくれよ!」


グリドールの奮闘虚しく腕に噛み跡が残るだけであった。


「こいつ俺より力が強ぇ!取り抑えるのは無理だ」


「麻酔を打ってみるっす、ヴァイラちゃんお願いだから落ち着いてくださいっす!」


ジャックが右腕から麻酔針を打ち込むが、標的がジャックへと移るだけであった。


「これサラマンダーでも眠るやつっすよ!?マジで何があったんすかヴァイラちゃん!?」


「今助けに行ぐ…あがっ!?」


全身から血が吹き出すグリドールは理解した、これは毒だと、以前食らったことがある毒の感じであったからだ、なぜヴァイラがかの毒を有しているのかは不明だが対処法は知っていた。


(対処法…あるにはある、だが今それをやってる場合じゃ…)


「ジャック!今すぐ逃げて助けを呼べ!もうこいつは数人でどうこうなる奴じゃねぇ!」


「無理っす!自分抑えるので限界っす!」


ジャックを襲いながら目に涙を浮かべるヴァイラの耳に入るは馴染みのある声であった。


「あれ皆さん何してるんですか」















補足設定


サラマンダーは進化出来なかった竜のなり損ない



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