12話 祭事は盛り上がる
補足というか設定
金銭について。
基本的には銅貨 銀貨 金貨で取引されるが、物々交換が主流な村も多い。
吟遊詩人の街では笛のオークションが定期的に開催される、その道300年の審査員エルフが居るので公正さは保証されている。
竜の角は600歳を越えると成長しなくなる、これは魔力の限界によるものだとされているが、いかんせん600年以上生きる竜があまりいないので確証はない。
ドワーフは筋肉量が基本的に人間の3倍はある、竜人は10倍だと言われている。
角は竜にとって力強さや長く生きていることの象徴である、竜が縄張り争いをするとき、角が大きい方が勝つ確率が多いとのこと。
「資金どうします?ここら辺魔物も居ないので倒して報償金を受け取れないですよ。」
「言っておくが俺は戦闘しか出来ん」
「自分発明品売って生活出来ますけどはした金っすよ。」
4人は資金繰りに困窮していた最中、街に来た時のことを思い出す。
「笛を売るってのはどうっす?」
「だが材料…あ」
ヴァイラに視線が集められる、出会った時より成長し立派になった角は笛を作るのにうってつけであった
「なに…?」
「ヴァイラ…ちょっとその角削ってもいいか?」
「ほんとにちょっとだけっす!また伸びるっすからお願いっす!」
幼いながらこれより自分にされることを予知したか、ヴァイラは逃走した。
「やだ!角はだめ!」
「そこをなんとかっす~!」
自分の保護すべき対象が危険な目に去らされようというのにルナフェナは、寝ていた。
「あの機能を使うときが来たみたいっすね…ヴァイラちゃん!観念するっす!」
ジャックの新しい義手をヴァイラに向けると、腕から煙が吹き出し、義手が射出された。
「あぅっ」
義手はヴァイラの服をがっちりと掴み、その場に拘束した。
「でかしたジャック!さぁその角を白日の元に晒してやるぞヴァイラぁ」
「いや~!」
静かでのどかな街に竜人の悲鳴が響き渡っていた。
「皆さんもう起きてたんですね私はまだ眠いですよ…」
「あぁ起きたかしょぼくれエルフ、資金集め完了したぞ。」
「え?一体どうやって…ってヴァイラちゃん!?何で泣いてるの!?」
ヴァイラの万年筆ほどの大きさの立派な2本の角は削れ、コンパクトになっていた。
「ちょっと事情があって…削っちゃったっす。」
その晩はルナフェナの説教で2人は眠れなかったという、エルフの怒号はそれはそれは恐ろしく、朝にはヴァイラがもう許してあげてとすがっていたほどにである。
「ヴァイラちゃん…ごめんなさいっす。」
「ヴァイラ…すまなかった。」
「もう!わたしほんとに怖かったんだからね!」
角を削ったは良いものの、加工師と販売の方法は見つかっていなかった、これまたルナフェナに説教されてしまっていた。
「はぁ…もう分かりましたよ、私この街にツテが居るんです、その人に色々お世話になりますよ。」
「ほんとっすか?流石長く生きてるだけあるっすね~」
ルナフェナの紹介で郊外の更に奥にある廃れた小屋に行くと、とある人物が出迎えてくれた。
「おう、てめぇらこんなとこに何の用だ…ってエルフの兄貴!お久しぶりです!」
「紹介しますね、この方はチャーフ・ガーフィールドさんです。」
「お前兄貴って慕われてるけど何かしたのか…?」
ルナフェナは当時のことをしみじみとしながら語った。
「あれは12年前ですかね、小生意気な孤児が私の財布を盗んだのでボコって自立できるように知識を叩き込んだんですよ~」
ヘラヘラと語るその目には何の光も灯っていなかった。
「いやぁ…あれはお世話になりましたよ…んで今日はどんな御用でここに?」
「あそこにいるアホ2人がこの子の角を削って笛にしようてしたんです、加工や販売のことを考えずにね!」
「すいませんっす…」
事情を理解したチャーフは腕を捲り、仕事に取り掛かり始めた。
「加工は俺ができます、販売はオークションにでもだしたらどうです?」
「それもそうですね、ありがとうございます、ほら2人も!」
ルナフェナが2人の頭を強く下げると、4人全員でチャーフに感謝を伝え、宿に戻っていった。
「笛が出来るまで3日は掛かるそうです、それまでこのお金で堪え忍ぶしかないですね。」
4人の財産は合計で金貨が3枚ほどしか無かった。
「いやこれで3日は無理あるっすよ…」
4人が落胆していると、街に笛の音が響き渡った。
「お、丁度いいですね、この街12年周期で祭りをやるんですよ。」
「祭りは金が掛かるだろ、何故丁度いいんだ。」
「祭りではすべての道は食べ物が銅貨5枚ほどで食べれるんですよ。」
ルナフェナが祭りの概要を説明すると、その場の全員がやる気に満ち溢れた。
「祭りは12年培った技術や経験を出し尽くすことが目的なんですよ、どうです皆さん参加しませんか?きっと楽しいですよ。」
「まつり…あの人間がたまにすあなに来てしにまくるやつ?」
「ヴァイラちゃんのそれは血祭りっすね。」




