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43話 逆審判の日、午前

「くはっ…やはり依り代とは言え血は確かに入っている…!」


ヴァイラの姿は変容し、鱗が付き七つの頭、14の目でアスモデウスを見ていた


「ちっ…戦うしかないってこ…!?」


「否、汝は今死体と同義。」


煙一つ立てず魔王に背後を取られたアスモデウスは首に手を掛けられ身動きを取れなくなる


(首を切られても私は再生する…でもそれをこいつらが許すはずがない…詰みね。)


「む…何故ゆえ汝は裸体なのだ、イスカリオテよ、知っているか?」


「魔王よ、そこの悪魔は裸体をトリガーにして精神支配を是する能力を持っている…まぁ貴公には意味の無いことだがな。」


「そうか…再度質問をするがその汝の下の竜はなんだ?」


屋根が壊れ月夜の光が指す下にいる異形の竜を魔王は疑問に思う


「此度の神殺しに必要な物の一つだ、依り代は竜人…中々良いものだろう?」


「ふん…醜悪なセンスだ、全を救うためとは言え哀れな一の竜人を犠牲にするとは気が引ける。」


「くふっ…それでいい、貴公がそうやって矛盾に苦悩するその姿は実に良い光景だ。」


魔王とイスカリオテが話していると物影から現れる人影が…


「イスちゃーん…完成したよー」


「やっとか…それとその呼び方はやめろ。」


現れた人影は月の模型を持った下半身が蛇のようになっている髪が燃えている女性であった


「ほう…汝がイスカリオテの言う炎の蛇か…」


「初めましてだねー魔王くんー…調子はどうかな?」


「馴れ合う気は無い、その模型は如何に使うのだ」


炎の蛇は模型を裏返す、そこには空に浮かぶ顔と瓜二つな表情があった


「体の記憶を探れば分かるんじゃないー?」


「…月の怒り、か。」


「そーそー…むかーしの伝説でさ、神の怒りを買った人類がお月さん落とされて一回絶滅されたーっていう、あれ。」


炎の蛇はイスカリオテに模型を渡し、どこかへ消え去っていく


「さて魔王よ、これにて世界と神を殺す三種の獣の内二種が揃った…最後は…」


「さてアスモデウスよ…貴公に何故私の力を与えたか分かるか?」


「…知らない」


「くく…世界を滅ぼすには三つの獣が必要なのだ、海、偽、淫だ。」


「海は地上を滅ぼす、後ろのあやつのことだ…偽は神を殺す…私だ、そして淫…」


イスカリオテはアスモデウスの頬を触る


「貴公のことだ…!」


「んなっ…」


「貴公はこれより人を誘惑し淫行の酒で溺れさせる…バビロンとなるのだ…!」


高笑いを始めるイスカリオテは正に外道のような表情でアスモデウスに向かって話し続ける


「何故私が易々と舌を貴公に渡したか…くく…私の体は穢れそのもの、舌を吸収した貴公はもう土台に立っているのだよ。」


「な、ならない!私はアスモデウス!もう色欲は捨ててちゃんと普通の女の子になるの!私の姉妹も…!」


「ならば抵抗してみるがいい…出来るものならな、くふ…ふは…!」


魔王達は遠くから聞こえてくる足音に気付く…


「邪魔がはいって…」


「ふんっ…」


アスモデウスの腰に手を伸ばしたイスカリオテをグリドールの痛烈な飛び蹴りが襲う


「やはり追ってきたか、あそこで野垂れ死ねば良かったものを…」


「助けに来たぞ、アスモデウス。」


トリスの刀をイスカリオテの胸に刺しグリドールは再度魔王と立ち会う…


「止めは刺すべき、という教訓だな」


「ほう…余は手加減していると?」


「ちげぇよ、フェレス。」


「なっ…」


自身の名を口にされ魔王は動揺する、その隙をグリドールは直ぐ様狩りに行く…


(やっぱりこいつは自分の名前を知られてないって思ってる…そうだよなぁ…?俺でもそうする…!)


踏み込み、アスモデウスをいばらで助け足を払い遠くへ飛ばす…この動作をグリドールは僅か約0.5秒で行っていた


「風邪引くぞ、お前は休んでろ」


「ぁ…ま、待って!あの怪物ヴァイラっていう子なの!確か仲間だったよね…?」


上着を貸しグリドールはヴァイラという言葉を聞きその腸が煮え繰り返る思いを味わう


「…助かる、お前はあっちに走れ、俺の仲間が居る。」


「私も戦う…!」


「ダメだ、お前あいつらに狙われてんだろ?もしどうしてもと言うなら援護してくれ、前には出るな」


「話は…終わったか?」


グリドールが反応して後ろへ下がる前に魔王は拳を放つ


(腕でガードは出来たが痛ぇ…!衝撃が体の隅まで走ってくる!)


「げふっ…!早く行け!」


「っ死なないでよ!終わったらまた抱き着いてやるんだから!」


アスモデウスはグリドールの元を離れ走り出す…




















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