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2章2話 これまで、と、これから先の話をしよう

1週間後に来たレニヴァル君とエルフの大工さん達は俺が穗高君と整地したダンジョンの1階層に店兼自宅を建てた。

異世界から、木を調達して製材、加工するのに、それだけかかったらしくレニヴァル君はグッタリしていた。


そう!レニヴァル君日本語がペラペラになってたのだ。実李君が教えたらしい。

お使いしてもらったら、一人で買い物して来られるようになっていた。

お土産にご贈答用の銀の缶に入ったせんべいを買って来てくれた。

ダンジョン内で、緑茶を飲みながら、この100年間の事を話した。


☆☆☆☆☆

目が覚めると天界で雲のベッドに身を横たえていた。

俺に呼びかけるレニヴァル君の声が聞こえた。

それが、俺に力を与えている。

起き上がり雲のベッドから下りるとたちまちその場所は神々の会議室に早変わり。

いにしえの3柱の神と創造神ユーバリン神が並んだイスに座った。

テーブルのこちら側にもイスが一つあるが、目の前の神々と俺では格が違うので同席していいのか悩んでいるとユーバリン様から許しが出た。

「座りなよ~。とって食ったりしないから~」

「ハイ!」

疲れていたので助かる。大地の神ハラハナニナがやつれた顔を輝かせて俺を褒めちぎる。

「よくやりました!大地に少しだけ緑が戻ってきました!エルフ達の働きによるものです!それだけヴァルヴェールが信仰を得たという事、……ですが、エルフの子らはやってはならぬ過ちを犯したのです」

ああ、売るものまで俺に捧げちゃった事件か。

「すべて俺の責任です。どんな罰でも受けます」

裁きの神ヨルンガ様が一つ頷く。

「その心意気やよし!エルフ達には地上にて10万体の魔物退治を。ヴァルヴェールは、名と神域をユーバリン様に返し、以前のように稔司として神域のダンジョン主をしておれ!」

生命の神ピミュクルバス様がため息交じりに更に罰を俺とエルフ達に加える。

「魔大陸の魔物を罰の一つとして与える。100分ける1つを受け取らせろと神々(みな)がうるさいのでそうする。溢れぬように気を付けよ」

う~ん。やばい罰を受けたな。

300層くらいにしたらダンジョンに入るかな?

「そのような寛大な罰で許していただきありがとうございます!」

「神々(われら)にしては、軽微な罰なのだ。わかるであろう?」

「承知致しております!ありがとうございます」

ハラハナニア様が力説する。

「我ら4神がどれだけ罰を軽くするのに奮闘したか!」

ユーバリン様は手酌酒でぼやいた。

「エルフ達と稔司を魔物だらけの魔大陸に転移させるとか~、処刑に近い案もあったんだから~、ホント、感謝しろ~」

ヨルンガ様がそのお酒を掠め取りやはり手酌酒でぼやいた。

「供物の怨みは恐ろしいのだ。次に同じ過ちを犯したら、問答無用で魔大陸行きだからな。ホント、愚かな事をするなよ。因みにその時はお前も何の力も持たない人の身になってエルフ達の足を引っ張ることになるからな」

☆☆☆☆☆


話を聞いたレニヴァル君は真っ青になって震えていた。

「し、衆知します!申し訳ありませんでした!稔司様」

「いや、それはいいけど、この里を隠れ里にしておけなくなったなあ」

レニヴァル君がケティアル君に里長を呼んで来るよう命じた。

「里の者だけでは討伐出来ませんか?」

「筆舌に尽くしがたいくらいの魔物の数を異空間に押し込めてる!それに神力ほとんど使ってて、権現するのがやっと、って感じ。早くダンジョン創りたいけど里開きの具体的な方法を決めないと、出来ないから9階層でこもってるから、10日で何とかして!!」

我ながら無茶を言っていると思うが、異空間の中で種族分けしたり、鑑定してレベル別に並べたりとやることは山ほどある上、まだまだ送られて来てるのだ。

発狂しそう!

 鑑定した所、エルフの精鋭3~5人がようやく倒せるようなレベルが高い魔物が多いのが、一番の問題だ。

「レベル99とか、どうすんだよ?これ」

9階層の葡萄の木は元気で精霊達が勝手にワイン造りしている。

《ダンジョンマスター!9階層はこのままにしてね》

《精霊王様にワインを献上してるの!》

《ダンジョンマスターにも一樽あげるからお願い!》

「わかった。使って。楽しみにしておくよ」

《やったぁ!》

《ありがとう!》

精霊達が頬に口づける。

くすぐったい。……あ?ちょっと楽になった?

頭の中がすっきり整頓された感じ。

また、いろんな物が、魔大陸から送り付けられてくる。魔物の巣?!

はあ?アイアンツリーの枝で作った巣?アイアンツリーって、俺育てられる植物?

 ギャーッ!!

魔物の骨で出来た巣とか、イヤだっつーの!!

嫌悪感いっぱいじゃー!

それを数十個も送ってくんな!!

無茶苦茶デカイ巣だから、2~3個でいいだろうが!

……うわっ?!スカルキャップワイバーンって、5900体も在庫がある。自分よりデカイ魔物倒して喰って、その魔物の頭蓋骨を帽子代わりにかぶる?悪趣味!レベル36か……。

この中じゃ弱い方だな。

9階層の端に通路を創りながらツラツラ考えてると、実李君が来た。

「稔司!!ダンジョン内を創るぞ!」

やる気満々(?)だな?

魔物のレベルと個体数リストを見せるとメモ用紙を要求してガリガリ羽根ペンで色々書き始めた。

覗いて見ると俺なんかが思い付かないアイデアが書き連ねてあった。



①各階層に1箇所、50人くらいがテントを張って野営出来る魔物が入って来ない安全地帯【セーフティゾーン】の設置をする。


ボーナスポイント100万ポイントで【結界魔法】を取得!

ダンジョンマスターレベル3になった。

セーフティゾーンの設置はまだ出来ないみたいだ。この【聖魔法 100万ポイント】も取得したら?……おお!ダンジョンマスターレベルは上がらなかったけど、【セーフティゾーン*レベル5】を取得出来たぞ!

さあ、次は何だ?!


②5階層ごとにダンジョン入り口に転移出来る【転移陣】を設ける。なお、そのフロアにはフロアボスが沸く【ボス部屋】を設置する。

【転移陣】はボスを倒したら使用可能になる。


時空魔法でちょっといじる。


********************

【マスターのダンジョンレベルでは、【ボス部屋】を設置出来ません。まずは、ダンジョンレベルにボーナスポイントを割り振りダンジョンレベルをMAXまで上げて下さい】

【ダンジョンレベル3⇨MAXまで今なら、ボーナスポイント1500万ポイント!割り振りますか?Yes/No】

********************


「……実李君。ボス部屋設置、俺のダンジョンレベルじゃ無理!」

「マジか。じゃ、転移陣を設置出来る?」


********************

【マスターのダンジョンレベルでは、魔物も転移陣を使えます】

********************


「……魔物も使えるって」

「ダンジョンレベル今すぐ上げろや!!」


実李君、でも、ボーナスポイントはあと2680万ポイントしかない。


「考えるな!やれ!」


Yesを選択した。


********************

【ダンジョン各階層が10倍に拡張します。ダンジョンマスターレベルを上げて対応して下さい。最低限必要なマスターレベルは、4です。今ならお得な1000万ポイントです。取得します。ボーナスポイント残り180万ポイント、です】

********************


「クソ?!聞いて無いぞ!アアア!!」

皆が貯めた貴重なポイントが湯水の如く使われた!

肩を落としていると実李君が俺にメモ用紙を見せる。

「宿屋とか、稔司の店とかは、ダンジョンの1階層に作ってくれ。武器屋とか、防具屋とか、ギルドは里の方に作るから!

ダンジョンはメモ用紙の指示通りに作っててくれたら多分大丈夫だ。

3日後までに作業を終わらせろよ?頼むぞ!」


アアアアァアア!!行かないでー!

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