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第零話 どん底韋駄天のはじまりはじまり。

解説員「おーっと、ここで清風高校、世羅高校、佐久長聖高校に並んだ!さぁ首位争いが激化していきました!!!」

長谷部「はぁはぁ、はっ、っ」

横浜「頑張っ!世羅佐久長聖抜いたれや!」

解説員「お!!首位争いに大きな、それは大きな変化が起きました!3位に位置付けている清風高校、ラストスパートか!?一気に一位に位置付けました!6区を走っている、長谷部徳明、去年4月に右足靱帯を骨折し、全治7ヶ月の大怪我をしました! それでも、仲間の励ましが、自身を成長させていきました。特に七区、最終区間を走る横浜快斗の励ましが、嬉しかったと語っていました。さぁ、その堺のネイビーオレンジが、最終区へと繋がっていく!」

長谷部「頑張れよ」

解説員「うおーーー!区間新記録!!!ディラングの14分6秒を抜く、13分59秒!!!十四分切りだー!!!さぁ今七区横浜が賢明にたけびしスタジアムへと向かっていきます!」


心臓の鼓動一つ一つが僕の耳を塞いでる。脚の動き一つ一つが、車道の空間を震動させる。清風高校、完全復活の狼煙はこれからだ。

横浜「はっ、はぁ、はっ!」

息が荒くなる。出し過ぎた。それ程緊張してる。固唾を飲む。

1キロ2分56秒、過去最高だ。

後ろを見渡す。佐久長聖の三年、後藤田が追い上げている。間は5秒、ただひたすらに足を動かす。

「っっ!!!」

最悪だ。地獄、地獄。足がつったのだ。状況が混乱して取り乱しかねない。大幅な失速だ。後ろの佐久長聖が、視野で捕らえられた。

解説員「おっと!?一位を走っています、清風高校三年、横浜が足をつったのでしょうか、減速しています、そのすぐ背後に佐久長聖最強三年、後藤田が抜きました!」

抜かされた。1キロと500メートル辺りだろうか、世羅高校のやつも見える、みるみる抜かされて三位のところでたけびしスタジアムへ着く。大恥野郎のお出ましだ。

解説員「いま、三位の清風高校、後を続く形で四位西脇工業、五位仙台育英が争っています!」

後ろに東西の二台巨頭。身が狭い。

解説員「あぁっ!今四位西脇工業、五位仙台育英が清風高校を抜きました!今ゴールです!そして、清風高校、古豪、完全復活!五位でfinish!」

泣きじゃくった。18歳がみんなの前で号泣すると言うのを晒した。ひたすらに泣いた。みんなが明るく微笑っているけど、僕は五つ順位を落として地獄へ行った。

それからと言うもの、僕は死体のような体になってしまった。


僕の大学受験は立教大学から駅伝でのスポーツ推薦が出ている。今まさに面接の時。

面接官「あなたは高校駅伝に出たそうですね。ではどのような駅伝だったとあなたは考えますか?」

「それはもう…はっきり言います。ボロクソでしたよ。ゴミ、カスな結果です。六区長谷部は区間新出ましたが、僕は区間14位。5つも順位を落としましたし。」

駅伝とは訣別したかのような、それこそボロカスな面接だった。


2ヶ月後

ある一件のメールが来た。

僕は立教大学の駅伝推薦を貰ったのだ。まさかもらえるとは思わなかったので、動揺の念でいっぱいだ。

長谷部に聞く、

横浜「徳明は何処の推薦貰ったの?」

長谷部「早稲田!快斗は立教だっけ?お互い頑張ろうぜ!」

明るい気分。こんなにも穏やか。地獄から蜘蛛の糸を垂らしたかのよう。面接の時を反面教師にして、駅伝ライフ、大学ライフを立教大学で過ごそうと思えた。

清風高校第90回卒業式。それは涙に満ち溢れ、笑いに満ち溢れた卒業式だった。

そして立教大学第148回入学式はきぼうに満ち溢れた入学式でも合ったんだ。


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