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貓の王様  作者: 雨月 そら
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沖宮から 天久宮2

 楽しい気持ちなれば離れ難いのは獅輝も同じでその場の楽しさで曲に合わせて手拍子を始め、天久宮の獅子の二人から一緒に踊ろうと手を引っ張られ誘われて気分も良くなって二人の真似して小躍りまでし始めた。

 初めは弁天の周りをくるくる回っていたが、気分が良くなって大胆になった獅輝は橋向こうの森の近くまで来てしまった。

 するとその森の入口に口と顎に生えている長い白髭と背中まで伸びた白髪を後ろで束ね、真っ白な着物を着ていてまさに雪を身に纏った仙人みたいな杖を付いた老人が立っていた。

 その老人とふと目が合い、その長く真っ白な眉毛の中から鋭い真っ黒な目を見た瞬間、サーっと浮かれた気持ちが覚めて獅輝はここへ何しに来たのか思い出す。あの老人の力強い瞳を思い出すと緊張感でドクドクと拍動が早くなり、違和感を感じ俯いて掌を見てみれば手が汗ばんでいる。


 全身に血が巡り頭がすっきりすると、急がねばと獅輝は手をグッと握り締める。


 直接的ではないものの役目を思い出させてくれた老人に感謝したくて、顔を上げて森を見てみるがそこには誰もいない。

 でも不思議とまた会えるような気がして、その時にはちゃんと感謝を言葉にしようと獅輝は森に背を向けケースの元へ小走りするとそれを背負って、デレデレしているサー尻を叩いて次へと向かうことにした。

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