第6章~この戦いの先に待つもの~
大規模な戦闘は終わりを告げ、米国大統領イエノ・バラトは、米国全土をIKDに支配された事を知り、それを米国民に表明した。この戦いの先に待つ物は、一体どうなってしまうのか?そう言った疑念が米国民には広がっていた。
一方、米国を負かしたIKDは、米国での軍事作戦を終結させた事を全部隊に通達。直ぐ様復員を命じた。
「終わったな?長峰。」
「マルゼイは先の事など考えちゃいないな。」
「何を言ってる。これは終わりじゃなく始まりだ。」
「そりゃそうなんだけどよ。」
長峰は目先の利益しか考えていないマルゼイとは、別次元のアイディアを心の内に秘めていた。
「米国の大統領にでもなってみるか?サカヒゲ?」
「気でも狂ったか長峰?」
サカヒゲはこの長峰の質問の意図をまるで理解していない。
「これからの米国には、自分達がしてきた報いをくって貰う。マルゼイとサカヒゲで協力して占領統治の陣頭指揮をとってもらいたい。」
「おもしろそうじゃないか。長峰?」
サカヒゲはこの件については乗り気ではない様である。だが、マルゼイはかなり乗り気だ。
「長峰、貴様がやらないのか?」
「サカヒゲ?嫌なら代わりはいくらでもいるが?」
「俺は人の上に立つ器ではないからな。」
長峰が表舞台に立つのを嫌がるのは、日本の海上自衛隊員であるからであり、世界最強の米国を倒したのはあくまでゴーン・マルゼイ率いるIKDであると言う事実を主張したかった。テロリストに連れ去られ、強制的に加担された悲劇の自衛官である事を強引に主張したかった。
世界は統一された?いや、それはこれからのIKD次第である。テロリスト集団が治める平和統治等過去に例を見ないからだ。
「この戦いは欧米が享受してきた自由への挑戦であったはずだ。少なくとも、俺はテロリストに加担する様になってから、人間とは違う野獣に成り果てた。戻る場所も設ける事もせず、ただガムシャラに戦の事ばかり考えていた。寝る間も惜しみ、作戦を立案しては遂行して来た。俺はもう疲れた。後は野となれ山となれ。世界制覇は案外楽勝だった。まぁ、反政府勢力による反転攻勢も充分考えられる。この戦いの先に何が待つのか?それを俺はマルゼイとサカヒゲに任せた。戻れないだろうが、俺は一介の海上自衛官として残りの人生を日本の為に尽くしたい。」
長峰は護衛艦ミネフジと共に行きたい様である。
「それは構わない。」
マルゼイはあっさり答える。
「君の好きな様にしろ。」
サカヒゲもあっさり答える。
「ありがとう。これまで一緒に戦えて良かった。」
どうやら長峰は、IKDと決別する事を選択するという感じになりそうである。




