米国東海岸を囲うIKD 陸上部隊
一方で上陸を果たしたIKD陸上兵力は、遂に米国東海岸に到達しようかと言う攻勢を見せていた。
「こちらマルゼイ。長峰応答せよ。」
「こちら長峰。どうしたマルゼイ?」
「飛ぶとりを落とす勢いってぇのは、こう言う事を言うんだな。」
「マルゼイ、何が言いたい?」
「長峰、お前がメキシコを攻略している間にこちらとら、米国東海岸に到達しようかと言う攻勢をかけたぞ?」
「それは朗報だな。マルゼイも言われた事はキチンと出来る子なんだな。」
「で?ここから先のプランは聞いていないが?」
「まだ油断は出来ない。戦力の現状を整えつついつでも動ける様に陣地を確実に確保してくれ。」
「了解した。」
米国西海岸から兵力を次々と投入したIKD陸上部隊は、応戦する米軍に対して地力で勝るIKD陸上部隊に対してどんどんエイブラムス戦車やストライカー装甲車を米軍から強奪して陣地を確実に確保して来た。無論米軍側の損害はそれなりの数が出たが、それはお互い様。血生臭い泥仕合を演じているのは明らかであった。
「こちら長峰。サカヒゲ応答せよ。」
「こちらサカヒゲ。どうかしたか?」
「一つ頼まれてくれんか?」
「構いませんが?」
長峰は一呼吸おいて、サカヒゲに告げた。
「ワシントンに向かって欲しいんだ。」
「ワシントンですか?」
「ああ、頼む。ホワイトハウスを陥落させねばマルゼイの頑張りも水の泡だ。」
「そろそろ和平交渉の時期だと思っている。ただひとつ懸念しているのは、ワシントン周辺までIKDの戦力を投入到達出来ていない事なんだ。銃弾飛び交う中行って貰う事になるが、大丈夫か?それだけが心配だ。」
「俺を誰だと思ってる?天下のIKDNo.2のテロリストだぜ。これまで乗り越えて来た死線は数知れず、安心しろ長峰。俺はどんな任務でも死なん。」
マルゼイは悔しがるだろうが、このミッションに関してはサカヒゲ以上の適任者はいない。米国大統領イエノ・バラトに面会してダイレクトに和平交渉を進めるのが、長峰達の悲願である。米国海軍を陥落させても、米国陸軍を屈服させても最後は米国大統領の一存で決まる。新しき自由で開かれた新世界の構築。歴史上数多のイスラム系テロリストが夢に見た米国へのジハードに勝利する事。それが長峰の目的であった。それでも彼は戦いを辞めない。背負う物は何もない。何もないからこそ、彼のプライドは崇高であるし、様々な国家がついて来た。米国東海岸を巡る攻防はいよいよ大詰めを向かえようとしていた。




