オーストラリア制圧
米国の同盟国であるオーストラリアは、その広大な領土を持つ為、陸軍が優れていると言うが、海軍の実力も侮れない。世界平均で見れば上位に位置するであろう。サカヒゲ率いる第一艦隊は、目的であるオーストラリア海軍を見つけた。
「総員戦闘配置!」
IKDは、これまで敵勢力の排除ではなく、艦隊の機能不全及びやられるギリギリまで接近し、制圧して来た。ロシア海軍艦隊総司令のアドミラル・アシェニコフをせしめて"ハイエナ"と言われたIKDの戦術には、無益な死者を出さないと言う長峰のテロリストらしかなる方針にあった。
また中国海軍の江南三大将をして"ドラゴン"と呼ばせた、電撃的な制圧までのスピード感が其処にはあった。
IKD第一艦隊の接近を察知したオーストラリア海軍大臣のミケラ・ジェイロは極秘に米国に相互防衛協定にあたるか確認したが、米国大統領イエノ・バラトにまだ今の段階では当てはまらないと告げられた。今や世界を制圧しようとしているIKDが只のテロリスト集団では無い事は、ジェイロ海軍大臣も認識している。ここは米国の介入が無い以上白旗を挙げざるを得ない。オーストラリアは戦わずしてIKDの傘下に入った。
「なんだよ?つまんねーな?魚雷の一発でも撃ってこいつーの。」
サカヒゲは不満気だ。
「御言葉ではありますが、サカヒゲ閣下。ここは急ぎパールハーバーに向かう必要があります。」
「分かっている。長峰提督に報告する所だ。面倒臭いが仕方無い。奴は俺の上官だからな。」
「ここから艦隊を急いで進めてもパールハーバーには2、3日はかかる。補給もせなきゃあかんしな。」
「こちらサカヒゲ、第二艦隊長峰提督どうぞ?」
「こちら長峰、どうした?コアラにでも噛まれたか?」
「オーストラリアは賢い。いきなり白旗を挙げよった。」
「そうか。予定通りだな。こちらも順調だ。パールハーバーで会おう。」
「ちっ。相変わらず可愛いげの無い男だぜ。おい!当直士官を呼んでくれ。」
「分かりました。」
「補給はいつまでかかりそうだ?」
「フル稼働で補給しておりますが、後1日ほどかかりそうです。」
「そうか。分かった。もう行って良いぞ。」
「はっ!」
そう言うとサカヒゲはCICから出て艦橋で一服した。大好きなメキシコ産の葉巻に火をつけた。給油中は火気厳禁であることなどどうでも良いテロリスト、サカヒゲであった。補給を終えるとIKD第一艦隊は第二艦隊の待つパールハーバーに進路を向けた。




