8話 「しろうささんとラスボスステージ」
「ねぇ……おうさ、くろうさ……」
「今日は仕事休みだけど、ラスボス退治に出かけないかな?」
「えっ!!!ラスボス退治!!?」
ラスボスに出会うには、いくつかの敵を倒さないと行かない。
「オラはももダー」
最初はももの形をしたモンスターだった。
「えっ……もも……」
(おまん!!ホント、ももの取り方下手くそだな!!潰れるだろうが!!
ぶっさらうぞ(ぶん殴るぞ))
(わあああああん!!ごめんよ父ちゃん!!)
「いやあああああああああああああああああああああ!!」
「く……くろうさ先輩!!?」
「くろうさ!!?」
大丈夫かよ、くろうさ先輩?
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「落ち着けよ!!くろうさ!!」
「くろちゃん大丈夫?」
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
くろうさ先輩、相当参っているようだ……。
どうしたら?
「木の棒で、叩け!!」
「お……おう!!」
「もも汁、〇しゃー!!」
木の棒でもものモンスターは退治した。
「つぎはぶどうか―――」
これも雑魚か……?」
(おまん!!ホント、ぶどうの取り方下手くそだな!!房がばらけるだろうが!!
わにわにしちょ(ふざけるな))
(わあああああん!!ごめんよ父ちゃん!!)
「わああああああああああああああああああああ!!」
「またかよ、くろうさ先輩……」
本当にイライラするな!!この人は……。
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「俺、網吐くから!!ぶうううううううう!!」
「つぶつぶ!!?」
「また、木の棒!!えい!!」
「つぶつぶ!!」
ぶどうのモンスターは倒れた。
それから、過酷な道を渡り見つけたものは――――
「わあ!!温泉だ~~~!!」
「本当だ、この浅さだと、足湯っぽいな」
「足湯……」
(コラ!!オメ!!足湯は100まで数えてから入れ!!)
(ごめんなさい!!許してよ、父ちゃんー--!!)
(だっちもねえこんいっちょし!(くだらないこと言うな!!))
「ゴフっ!!」
「くろうさ先輩!!」
「くろうさ!!大丈夫!!?」
「くろちゃん!!」
「もう……イヤだ!!僕……、帰りたい……」
「くろうさ!!」
なんか、すごいトラウマ抱えているな……。
くろうさ先輩……。
それから、敵を2回倒した後、やっと、ラスボスのステージを上がった。
「誰だ!!俺様の縄張りに入ってきた奴は!!」
魔王クオリティ低!!?
ほぼ真っ白じゃんか!!
「ああ。この絵、新人脚本家が描いた絵だ」
新人脚本家……!!?
「おうさ、どうしよう!!」
「ラスボスだもんな……」
「緑の玉!!」
必殺の緑の玉を吐いた。
しかし―――
「我はまだ強い!!」
「わあああああ!!ってあれ?痛くないぞ」
新人脚本家……!!?
なんで吐いた、エフェクトが、白い玉なんだよ。
しかも、いくらって文字入れるなよ……!!?
「はああああああああああああ!!」
「ラック!!危ない!!」
「ぐぁああああああああ!!やられた!!」
「えっ……」
意外と弱かったよ。こいつ。
「やったよ!おうさ!!」
「はぁ……よかったな、ラック……」
すごいよラック。何故倒したかわからないが。
元気を取り戻したのは、くろうさ先輩だった。
「見て!!地下にパソコンがあった!!これで、ゲームが作れるよ~」
「はいはい……」
この人本当に大丈夫かな……。