3話「しろうささんと悪ガキ」
「おい!!弱虫、ラック!!」
「……」
ラック木の家から降りたときだった。
「お前、なかなか学校に現れないから、死んだのかと思ったぜ」
「まっ……。生きているたけでも奇跡だけどな!!」
「わっ!!」
4人ぐらい、ラックのこと虐めている様子と見た。
「やめろよ!!」
「おい!!お前、何様なんだよ!!」
「悔しかったら、大人にチクればいいじゃんか!」
「そーだ!!そーだ!!」
こんな姿を目の当たりしたら、止めに行きたいが――――
「お兄ちゃん!?」
「くそ……。あいつら……」
「おうさ!!何するの!!放して!!」
「ダメだ!!メア!!これは負け戦だ!!」
俺は何もできなかった。
ラックは虐められてボロボロになった。
「ラック……」
それは、深夜のことだった――—
「ふう……。気持ちよかった……」
木の家の下にあるトイレで用を済ませたときのことだった。
「あれ?明かりが……」
「本当にやんのかよ?カルロス?」
「ああ。こうすれば、あいつがいなくなるだろ」
それは、朝にラックをいじめた奴らだ。
松明を持って何をする気だ。
「じゃーな……。ラック……。明日から、お前の顔を見なくて済むぜ!!」
「おい!!お前、何してんだ?」
「!!?」
こいつら……。家を放火するつもりだな!!
絶対に許さね。
「なんだ?こいつ!!スライムか?」
「スライムってなんだ!!俺はウサイムだ!!」
「なんだこいつ?喋ったぞ……」
「かー!!ペッ!!」
俺は訳が分からないが、緑色の透明な粘着質の玉を吐き出した。
「わああああああ!!!!汚ね!!」
「あれ?ここはどこ?僕は誰……」
『カルロス!!?』
これは凄い力だぞ!!?
よし、他の奴らも……。
「シャー!!」
「逃げろ!!あのウサイムに殺されるぞ!!」
「待って!!僕は誰だってば!!」
リーダー格の奴に玉を当てちゃったみたいだな。
これはこれでいいが―――
「ラック!!俺、あいつら倒したよ!!」
「本当かい?」
俺も虐められたラックの姿を見たくなかったからな。
「サンキューおうさ!!あいつら、両親がいない俺達をいじめるんだ」
「おうさすごーい!!
「はは、まあな……」
喜んでいいかわからないが、とりあえず一件落着だな。