12話 「しろうささんともち」
それは、俺の仮葬式から1週間後のできごとだった。
「カァ!!カァ!!」
「何!!?デコガラス!!?」
デコガラスと呼ばれた、カラスが、家の前に飛んでいた。
「きゃああああああああああああああああああ!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!
本当に迷惑だぜ!!
「カァ!!カァ!!」
「とっと、出ていけ!!ペッ!!ペッ!!」
デコガラスは出て行ったが、
何か置いて行ったようだ。
小さい檻のようだが。
「なんだこれは?」
檻の中に桃色のウサイムが入っていた。
「た……助けてください……」
「たっ……大変!!?」
俺達はそのウサイムの檻を開けた。
「どういたんだ?お前?」
「助かりました~。ありがとうございました!」
「は……はぁ……」
俺達はどうして捕まってしまったか、
経緯を聞いた。
「私、オークに捕まってしまったのです~」
「オークだって!!?」
オークって、ゴブリンと同じくファンタジーに出る、
緑の肌を持つ野蛮人のことじゃないか!!?
「よく、オークにあるものを狙われて大変でした~」
「そ……そうなのか……」
そうなのか、こいつも大変だっただな。
そういえば、こいつの名前なんだっけ?
「お前、名前は?」
「私の名前は桃崎です~」
「桃崎だって!!?」
くろうさ先輩は慌てた顔になった。
「この声は!!もしかして、先輩!!?」
「な……なんだお前!!」
「私!!桃子よ!!」
「ええっ!!」
俺の知らない女がくろうさ先輩のこと知っているようだ。
「おまんこっちんこうし(こっちに来て)!!」
「やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
慌てた顔になったくろうさ先輩だった。
「だ……大丈夫か?くろうさ先輩?」
「もう……もう……いや……」
謎の方言で、よくわからないが、
「今日からお前はもちだ」
「ええ!どうして!!」
「もう二度と本名言うなよ!!」
まあ、くろうさ先輩の騒動はさておき、
何故、デコガラスに捕まっていたのか気になる……。
「私、金色の卵が産まれるみたいなの……」
「金色のたまご?」
「私のこと魔王に売ろうとしていたみたいで」
魔王か……。ラスボスとは違うのか?
「うえっ……産まれそう……」
肛門から金色の卵が現れた。
気持ち悪っ!!
「ふぅ~。痛かった」
「本当に金の卵だ!!」
「すげーな……こいつ」
「……」
翌朝。
「ねえ……。私の卵は?」
「ごめん~。さっき、売っちゃった!!」
「な……なんですって!!」
もちはショックだったみたいだが、
生活のためだ。こんな金のなる木があったら利用するチャンス無いからな。
しかも、金貨20枚もらえたし~。
金は高騰しているから助かった。
「なええええええええええええええええええ(どうして)!!」