10話「しろうささんと新しい道」
10年後
「年を取ったわね……。おじいさん」
「そうだね……。おばあさん……」
こうしてホッとしている日々が心地よくて。
「わああ!おじいちゃん達だ!!」
時は本当に早いな……。
ラックは町の道具屋でバイト。
メアも14歳なり、週3回ぐらい学校に通うようになった。
「おはよう!おうさ!!くろうさ!!」
「おはよう~」
「今日はおねしょしなかったね」
10年経って、びっくりするくらい衰えたな……。
おねしょまでするようになり……。
「うっ……うう」
「どうした、おうさ?」
「俺達、このまま衰えてしまって……」
「仕方ないだろ……。僕達は動物なんだから~」
一方ラックはというと。
「ただいま~」
『おかえり!!』
16歳からお世話になった仕事場に就いている。
給料はなんと1か月に金貨5枚。
なんと、生活が豊かになった。
俺も、10年経っても坊やの世話にはよく行く。
「はーい!!うさお!!」
「はいよ!!ゴフッ!!」
「きゃはははは!!」
「良かったわね、エルマー。うさちゃんと遊べて」
9歳だから、力がとても強くて、
痛い思いするけど――――
さらに、最近は孫がよく遊びにくる。
「おうさおばあちゃん!!くろうさおじいちゃん!!」
「だから!!俺もおじいちゃんなんだけど!!」
「そうなんだ~。ごめん~。おじいちゃん~」
彼は「トビー」。10番目の子どもの子ども(孫)の
茶色の毛で身体が小さくておっとりしている。
「じいちゃん達ー元気か?」
「うさ次郎!!」
彼は「うさ次郎」。3番目の子どもの子ども(孫)
セミロングの髪と茶色のベストを着ている、
すこしおしゃれさん。
「おらの家にスイカ出来たから持ってきたっぺ」
「わぁ~。すげー」
「ありがとう~」
「じーちゃん!!じーちゃん!!今日は紙飛行機が遠く飛ばせそう!!」
「はいはい」
彼女は「エア」。18番目の子どもの子ども(孫)。
飛行機することが好きで、いつか空を飛ぶことを夢見ている。
まあ、そのほかに個性が強い子どもや孫がいるが、
こんなに囲まれて幸せなことないな。