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如月さんの一人語り  作者: 金木犀
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カゴメカゴメ

ザッ  

いつもと同じ日、同じ時間、同じ服装で如月が現れる。

今日の動画はいつもの不快な音が少ない。

機材を変えたのだろうか?と多くの視聴者にそう思われた

みたいだ。


「どうもこんばんは、如月です。最初に言っておきますが

機材は変えてません。さて今日語るのは童謡に纏わる

話です。

 皆さんは知っていますか?この童謡を……

【カゴメカゴメ】を……

カゴメカゴメを、知ってる人も居れば知らない人も居ると思いますので今日はこれに関わる物語を語ろうと思います。

 《振り返るな》」





「ねぇ、茜。肝試しやらない?ほら三人でさやろうよ。」

「えー、私怖いのやだなぁ。」

私は《西村茜》は本当に怖いのは苦手なのだ。

「でも、せっかくの夏休みだよ!どうせならさぁそれっぽいことしようよ。……それに」

「それに?」

「大智も誘ってんのよ!」

「えっ」

「そう、大智怖いの大好きだからさぁくるってよ。 

 ほらアンタの大好きな大智とお近づきになれるよ?」 

そうとなれば話は変わってくる。

いや……でも怖いし。

「ほら、アンタが怖がってたら大智守ってくれるかもよ?アンタ可愛いし大丈夫だって!」 

そこまで言うなら……しょうがないか……

「分かった。行くよ〜。」 

「やった!!んじゃ今夜十時神社集合ね」

急すぎない?

「ん、分かった。じゃ家こっちだから」

「バイバイー。」


ハァ……一体何着ていこう。

大智くんも居るし……当たり障りのない服装でいっか

私はお気に入りのパーカー着て神社へと足を進めた。

一体何をするつもりなんだろう?柚は…

  




神社につくと、先に二人が来ていたようで待っていてくれたみたいだ。

「遅いよー茜」

「ごめんごめん」

「西村も来たしはじめっか!」

「ねぇ、大智くん」

「ん?何だ?」 

私は気になる事を口にした。

「これから一体何をするの?」 

すると大智くんは蔓延の笑みになった。

「それはな!一人カゴメだ!」

「一人カゴメ?」

「あぁ!一人カゴメは名前の通り一人でカゴメカゴメをする」

「一人でカゴメってできるの?一人じゃ出来ないはずだけど……」 

私の知ってるカゴメは最低でも三人は必要。

後ろの人を当てる人。当てる人を囲む人。

囲む人が一人だと遊びにならないからね。

「まぁ、【普通】はそうなんだけど、一人カゴメの場合歌う人一人、当てる人一人でできるんだ。」

私は不思議に思った。 

「それだと、囲む人が居ない…んじゃ?」 

「そう!そこから怪奇現象が起こるんだ!」

「 ちょっと!二人だけの世界に入らないでよね!

 大智に変わって私が説明するね!

 茜の言う通り一人カゴメは囲む人が一人もいない。

 でも、不思議な事に足音がするらしいの。

 足音が鳴って歌が最後になったら《絶対振り返っちゃダメ》」

「どうして?」

「それはな!後ろの奴が絶対当たらないからだ。

 当てれなく後ろを向いた場合「負け」を認めたこととなり、どっかに攫われるらしいぜ!」

なるほど……ようは《負け》を認めるとダメなのね…

「 ちょっと大智何割り込んで来んのよ!私が説明してたじゃない!」   

「えーだって俺も西村と喋りたかったし……」

「へぇ?そんなに茜と喋りたかったのね?茜良かったじゃない?」

「ちょっと、柚そんな事言わないでよ!」

大智くんのこと好きなのバレちゃうじゃない!

「まっ、今回もガゼネタだろうし早くやろうぜ。」

「あれ?じゃあ、当てる人誰やるの?」

「じゃあ、じゃんけんで決めましょう?

それなら、平等だし…」


結果私がする事になった。

「じゃあ初めるわよ?茜準備オッケー?」 

「うん。」 

正直少し怖かったが、やって見たかったのでわりと乗り気であった。

「カ〜ゴメカゴメ。カーゴのなーかのトーリが……」

私は柚が歌い出したのをアイズとしてカゴメの体制になった。

曲はもうそろそろ終盤

「後ろの正面だ〜ぁれ?」

シーーン 

後ろからは何も足音がしない……

「何だ今回もガゼネタか…まっいっか。」

「もう、残念!あっ明日部活あるんだ!茜帰るわよ!」

「えっあっ、うん!大智くんまたね…」

「おう!また明日な!」

そう言う大智くんはものすごくキラキラしていて私にはとても眩しいかった。


「アンタ良かったじゃない!あっちもアンタのこと意識しているわよ!」

そんなかなぁ?そんな素振り無かったけど……

「そんな事ないよ。柚の気のせい気のせい。」

「そんな事あるわよ!もう!本当鈍感何だから!」

「えー?」

そんな話をしているとあっという間にいつもの別れ道についた。

「明日アンタがいかに鈍感か教えるわね!」

「だから鈍感じゃないって!」

「んじゃまた明日部活で会いましょ!バイバイー!」

「バイバイ」

私は小さく手を振りかえした。

トコトコ 

いつもより遅い時間だからか、いつも見慣れてる道でも何故か怖く感じる。

「カ……ト…リが‥‥」

ん?今何かカゴメの歌が聞こえた様な?

気のせいかな?

私は何も深く考えないで家に帰った

「ただいまぁ」

家に帰ると歩き疲れたのか、すぐ眠りについてしまった。


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