≪最終章≫出会いと音楽
そんなこんなで実家に帰った。
親はなぜかよそよそしかった。
それが僕には面白かった。
それから一週間が過ぎた。
父親が「お前に手紙だ。」と言った。
「え?内容は何?」
「『今日の午後3時までにペロ公園に来てほしい。』と書いてある。」と父親は言った。
「ペロ公園?どこそこ?連れてってくれる?」
「ああ。きっと楽しいよ。」
2時半ごろ、ペロ公園にいた。
人の声でザワザワしていた。
目は見えないが、音からしてたくさんの人がいるのがわかる。
2時50分の鐘の音の後、『ファ♯』のパイプオルガンの音が聞こえてきたのだった。
それは良く聴くと3方向から同じ音が同時に聴こえてきたのだった。
そしてみんなの声の調音。
その後マイケルが作ったオリジナル曲の合唱。
…始まった…
…それは壮大だった…
…その音は大地を揺さぶった…
自分はこんなに感動したことも、感動で涙を流したこともない。
教会の3つのパイプオルガンの伴奏。
それに付随する男女2つの何千人かというほどの歓喜の歌声。
圧倒的だった。
涙を流さなくばいられない、最高のハーモニーだった。
歌が終わった後、久しぶりに3人で会った。
3人でいると話は尽きない。
いつまでも話していたいなと思った。
出会いがある。だからこそメロディーが生まれる。
そんな事をマイケルは思うのだった。 ≪完≫