表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の恨みは金になる  作者: 乃木希生
3/13

略奪愛3

部下夫婦の共通趣味の一つだった陶芸に目をつけた俺は、恋人役となる女性を一人工作員として雇った。


後日、依頼人を呼び出した俺は、アルバイト女性と依頼人の顔合わせをさせた。


「太田さん、呼び出してしまってすみません。」


「いえ、大丈夫です。」


「今回、ご足労いただいたのは今度こちらの女性と太田さんで陶芸教室に潜入してもらいたいと思っております。」


「潜入ですか。てっきり私は何もせずに依頼が完了するかと思ってました。」


「今回は略奪愛なので、部下の奥さんの中で太田さんの評価をあげておく必要がありますから。」


「なるほど。分かりました。」


「理解が早くて助かります。さすがは、超一流企業で働いていらっしゃる方ですね。で、こちらの女性とカップル役をやっていただく必要があるのですが、本当のカップルに見えるように、とりあえず今からこの女性とホテルに行ってきてください。」


「はい?」


太田さんは『突然、何を言い出しているんだ?』という顔をしていた。


「カップルに見えるようにするため、一番てっとり早いのが男女の関係になってもらうことなんで。あ、ちなみにこちらの女性は本業はセクシー女優なので、その道のプロです。今回の仕事も理解した上で協力してくれています。まだ、名前は売れていない駆け出し女優ですが、ちゃんとギャラはこちらで支払っていますので、安心して抱いてください。」


「よろしくお願いします。」


アルバイトのセクシー女優は太田さんの隣に席を移動すると、頬にキスをした。


「別に私は、こちらの女性と男女の関係にならずともカップル役を演じることはできますよ。」


太田さんは俺の提案を断ってきた。


「太田さん、演じるって言っている時点でダメなんです。どうしたって、他人行儀の瞬間が出てしまうのが普通の人間です。まぁ、そんなに重く考えず、飲んだ後に先輩に無理やり連れていかれる風俗って感じで軽く考えてもらえれば良いんで。じゃあ、アカリちゃんよろしく。」


「分かりました。太田さん行きましょ。私、太田さんともっと仲良くなりたいし、太田さんのことを知りたい。」


さすがはセクシー女優だ。一瞬で女優モードに入ったアカリちゃんはそのまま困惑している太田さんを無理やり立たせると、そのままホテルへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ