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水着を買います!?

「男子の諸君、どれが良かったかな!?」

「え。俺たちに振るのか?」

「男子の票によって、紅桜ちゃんの水着が決まります!!」

「なんでそうなるの!?」

「だって、水着って男子に見てもらうものだし……」

「違うよ!?」


 みんなと合流を果たした後、なぜか私の水着選びをみんながやる事になった。

 始まりはほんの些細なもので、私が適当に水着を手にした事だった。

 別に何も意識せずに取っただけだったんだけど、なぜかそれよりも良いのがあるとみんなが言い出し、そして意見が割れてみんなが水着を選びに行ってしまった。

 その間、残っていた男子3人にと黒瀬で話していた。

 話していたとはいえ、そこまでいいものじゃない。

 私の水着を決める方法は私が選ぶんじゃなくて、3人の採点によって決めると黒瀬が言い出した。

 

「お、第一号が来たよ!最初は満ちゃんだ!」

「私が一番乗りのようね。ま、私が選んだんだから間違いないはずよ。」

「さあさあ、紅桜ちゃんはあっちでお着換えしようね?」

「押さないでよ!?」


 背中を押されて試着室に入れられる。

 なぜか黒瀬も中に入ってきて、怪しい手つきをしていた。


「黒瀬さん、なんで入ってきてるのかな?」

「もちろん、着替えの手伝いだよ!」

「いや、着替えるだけだよ?手伝う必要ないよね?」

「いやいや、紅桜ちゃんは水着を着た事無いでしょ?なら、着方が分からないでしょ?だから私が手伝ってあげるの!」

「着た事あるから大丈夫だって!」

「いや、ダメだね!ほら、着替えるよ!オラッ、オラッ!!」

「キャー!?」

 

 無理やり服を脱がされる。

 傍から見たらただの変態レイプ魔だ。

 女の子同士だからって、本当はダメなんだよ!?


 無理やり服を剥ぎ取られた後、水着を早く着用する。

 そして、一度鏡で確認をしてからカーテンを開けた。


「怪しい声がしたが、大丈夫――」

「おー、なかなかいいじゃん。」

「……いいかも。」

「ふん、私が選んだんだから当たり前ね。」


 みんなからの視線が肌に直接当たって羞恥心が芽生える。

 それにしても、みんな好評そうだけど、樹が黙ってしまったのが気がかり。

 黙ってないで何か言ってほしい。


「みんな反応よさそうだね。樹君黙ってるけど感想は?」

「悪い。似合ってて声が出なくなってた。」

「////////」

「ほほう。」


 樹の言葉に照れてします。

 そんな私を見て黒瀬が悪い笑みを浮かべる。

 その笑みに何を思っているのか分からないけど、きっと良い事ではないと思う。


「一番乗りを満先輩にとられました……。けど、私が一番似合ってる服を持ってきました!」

「第2号が来たね!さあさあ、お着換えの時間ですよ!」

「分かったから押すのはやめて!」


 2番目は美和ちゃんだ。

 渡されたものは満さんのに比べて布面積が少なそうだったけど、すぐに黒瀬が取ってしまったので確認出来ずに試着室に入れられた。

 そこから、着替え中に氷柱姉と百々姉がやってきて、連続して3つを着替える事になった。


「さあ男子の諸君、どの水着が良いか投票先を決めたかな?」

「一応決めたよ。」

「決めた決めた。」

「……一応ね。」


 女子4人の圧を向けられながら男子3人が投票先を決める。

 ある意味で可哀そうな絵面だ。


「3人とも一斉にどうぞ!」

「満さんに1票かな。」

「俺は美和ちゃんに1票!」

「僕は氷柱さんに1票かな。」


 きれいに割れてしまった。

 選ばれなかった百々姉は膝をついて魂が抜けていた。

 そんな百々姉を見て氷柱姉が少し勝ち誇っていた。


「割れちゃったね、紅桜ちゃんどうしよっか?」

「……なら、最後私から満さんに1票入れて決まりかな?」


 元男だから1票入れていいよね。

 それに、樹が選んだし、これが良いかな。


「勝者の満さんから一言!」

「私は見る目があるからね。決まっていた事なのよ。」

 

 勝ち誇ったように自慢げな顔を浮かべている。

 傍から見たらちょっと微笑ましい。


「それじゃあ、買わないといけないから、値段は……ん!?」

「どうしたの?」

「あれ、私の目がおかしいのかな?私が知ってる水着の値段より1桁多い気がする……。」


 水着についてるタグへ目を通す。

 どう見ても知っている物の値段ではない。


「見せて……うわっ本当だ!?」

「なによ、そこまで気にする値段じゃないでしょ?」

「……うっ。」


 そういえば、満さんはお金持ちの家系だから値段の相場が違うんだ。

 この値段は流石に買えない。


「予算的に買えないから、氷柱姉のにするよ。」

「先輩!?」

「美和ちゃんのは露出が多いからね、絶対買わないよ。」

「そんな~!?」


 項垂れる美和ちゃんを横に、氷柱姉から水着を受け取って会計を済ませる。

 満さんが選んだ水着は樹が気に入っていたみたいだから少し残念。


「よし、水着を買ったからプールだ!!」

「じゃ、俺たちは帰るか。」

「そうだね。」

「紅桜ちゃんの水着姿を見れて満足満足。」

「待って待って、男子諸君!」


 帰りそうな勢いの3人を黒瀬が止める。

 他に用事でもあったのかな?


「3人もプール行くでしょ?」

「いや、買い物だって話だったから何も持って着てないぞ?」

「僕もそうだね。」

「2人に同じくだ。」

「いやいや、3人もここで買えばいいよ。どうせパンツ一つ選ぶぐらいすぐでしょ?」

「かもしれないが、女子だけで行くんだろ?」

「僕たちがついて行ったらお邪魔じゃない?」

「ま、行ってもいいんだけどさ。」


 私も女子だけだと思っていた。

 樹たちは紳士だからね、こういう所はわきまえてるんだよね。

 でも、一緒にプールへ行ってみたいな。


「いやいや、女子だけでじゃだめだよ。ボディーガード役に男が必要だよ。ほら、紅桜ちゃんってよく男を魅了するから。」

「私は魅了してないよ!?」

「それに、私達って顔面偏差値高いからナンパされやすいんだよ。」

「それは……」

「確かに。」


 私の方を向いて、口元の手を当てる。

 そこまで悩ませるようなことはしてないんだけどな。


「絶対に、紅桜ちゃんは雄を引き寄せるフェロモンを出してるからね。ボディーガードは必要だと思うんだよね。」

「…………。」

 

 まあ、確かに変な人に遭遇してきたけど……本当に男の人を魅了するようなフェロモンとか出してないよね?

 私、何も匂ったりしないよね!?


「紅桜ちゃんはいろんな男に絡まれやすいからな。確かに必要かもな。」

「うん。色んな所で絡まれるよね?」

「あれ、俺だけ知らないような感じ?男がらみでなんかあったの?」

「うん、色々と…」

「なら、ボディーガードは要るよな。」

「お、皆行く気になってくれた?なら、さっさとパンツを買って来てね。私たちは外で待ってるよ。」


 ここぞとばかりに美和ちゃんと二人の姉に連れられて、店の外に出る。

 なんとなくね、男子たちから離したそうにしてたのは気づいてたよ。

 でもさ、さすがにそれは可哀そうじゃない?

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