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女子会です!?

「あんた、女子みたいな趣味をしてるのね。」

「うっ……まぁ……。」


永久は反応に困っていた。

あまり触れない方がいいのかもしれない。


「こいつの部屋が女子みたいなのは今はいいとして、何でこいつの家に集まることになったわけ?」

「樹君からの連絡だったから、樹君主催じゃ無いの?」

「僕もそうだと思ったんだけど。」

「じゃあ、何であいつがいないのよ?てか、私は霜雪が大変だからって呼ばれただけだし。」


みんなは私の方を向く。

そんなに見つめられると、緊張してしまう。


「話してもらいましょうか?どうしてあんたじゃなくて、あいつから連絡が来たのかしら?」

「あ、ぅ…………えーっと」


私は、嘘を混ぜながらも、今日あった事を話した。

ただ、今日より前の事は話す必要はないと思って、全ては話さなかった。


「家族と喧嘩して、家出して、あいつの家に匿ってもらっていたと……」

「はい……」

「まぁ、まぁ、年頃の子なら親との喧嘩ぐらい普通だよ。」

「僕も喧嘩することあるし、思春期の女の子はお父さんと価値観が合わないってよく言うから、仕方ない事だよ。」


同情を買う事になった。

別に、同情をして欲しくなくて、共感もして欲しくなくて、ただそっとして欲しかった。

ただ、みんなに聞いてもらっている間は、どうしようもなく気持ちよかった。

私は、本当は聞いて欲しいだけだったのかもしれない。


「で、明日はどうするの?」

「明日って?」

「家出は明日もするんでしょ?どこに泊まるのよ?」

「それは……」

「そんな事は明日で良くない?今日はさ、せっかくのお泊まり会なんだから女子会を楽しもうよ!」

「いや、そいつは女子じゃないじゃん。」

「あ、はは…」

「小さな事はいいじゃん!」


女子会(?)をする事になった。

とは言っても、何かやることがあるわけじゃない。

適当な話をべらべらと話すだけ。

でも、これが女子会なのかな?


「そう言えば、どうしてこいつ、、広瀬の家になったのよ?」

「さ、さぁ、私は知らないなぁ!?」

「僕は樹君から今日泊められないかって聞かれただけだから……」


黒瀬の反応が怪しい。

けど、聞がない方が良さそう。

あからさまに、そっぽを向いてる。


「そんな事よりさ、みんなは最近何してたの?どこかに出かけたりしてたのかな?」

「私は……ちょっとパーティーに呼ばれて出かけたりはしたけど、それ以外は特にないわね。」


パーティー……満さんの場合はお金持ちの人たちが集まる感じのかな?


「パーティーって、誰かのお誕生日会?」

「いや、どっかのお偉いさんが何かの記念にって。」

「そっち系のパーティー!?もしかして、満さんの両親ってかなり有名人!?」

「べ、別に、そんな事はないと思うけど?」

「満さんのお家はお金持ちだって美和ちゃんが言ってたよね?もしかして、よく誘われたり?」

「最近は断る事が多くて、控えてもらったりしてるわ。てか、あんまりお金持ちっていうのやめなさいよ。」


そう言えば、お金持ちって言われるの嫌いなんだっけ?

気をつけないと。


「ごめん。無神経だったね。」

「あんたが悪気がないのは分かってるからいいけど。」


ちょっとばかしのお叱り。

これは全て私に非があるので仕方ない。

それでも許してくれる満さんは、言動に似合わないくらい優しい。


「満さんのお家ってお金持ちなんだ………何だか想像できないね?」

「何?私には似合わないって?」

「私たちと同じように見えるから。」

「お金持ちって言っても、あんた達とそこまで変わらないわよ。それに、あんたのお金持ちのイメージって、ブランド品を身につけまくってる感じでしょ?そんなのごく一部よ。」

「そうなんだ。」


ちょっとした豆知識を教えてくれる。

けど、満さんのママさんがお金持ちって言われると納得してしまう。

だから、普段の行いや態度やちょっとした仕草によるんじゃないかと思う。


「これ以上私の話はいいでしょ?黒瀬の方はどうだったのよ?」

「私?どこかに行くとかは無かったかな?お父さんが仕事で上司に怒られる事してたらしくて、あまり帰ってこなくて車を動かせる人がいなかったんだよね。」


黒瀬のお父さんって言えば……何だか分かったかもしれない。

あの人なら、きっと仕事を大量に押し付けたりして、ネチネチやりったりしてそう。

だから、かなり大変な目に遭わされてるかも。


「私は勉強ぐらいしかやってないんだよね。だから、残り一週間しかない休みの中で、こうしてお泊まり会できたの嬉しいんだよ!」

「そう言えば、あと一週間なのよね。」


え!?そんなに時間経ってたの?

ずっと寝てて、気が付かなかった!?

あばばばば。


「次は広瀬君だね。」

「僕も大した事なくて、昔の友達に無理やり外に連れられたぐらいしか。」

「昔の友達とお出かけ?楽しそうでいいじゃん!」

「いや、その友達とはちょっと喧嘩別れみたいなのしてたから、気まずくて」

「でも、お出かけを誘われたんでしょ?きっと、仲直りのためじゃないかな?」

「そうだとは思ってるんだよ?けど、一方的な別れだったから、気持ちの整理がつかなくて。」


相当悩んでる感じだった。

向こうは寄りを戻そうとしてるけど、永久は逆に迷惑そうだ。

こういうのは急に距離を縮めるよりもゆっくり時間をかけた方がいいかも。


「それなら、私達が手伝ってあげようか?」

「手伝うって?」

「その人の事を迷惑とは思ってないんでしょ?でも、急に近くに来られると気持ちの整理ができないと。だからさ、私達がその間に入って、説明してあげるよ。」

「そうしてくれるのは有難いんだけど、迷惑じゃないかな?」

「私はそうは思わないよ?今日泊めてくれたお礼がしたいんだよ。」

「お礼って、大した事はしてないよ。それに、彼女の事は、、、」


???

あれ、今彼女って言った?

男友達じゃないの?


「広瀬君、彼女ってどういう事!?もしかして、喧嘩別れしたのってこ、恋、恋人!?」

「ちょっと、下品よ黒瀬。」


案の定というか、黒瀬が食いついてきた。

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