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学校に向かいます!?

「紅桜ちやん、おはよう!」

「おはよう百々姉。ふぁ〜、なんだかぼーっとするよ。」

「昨日、ワインを間違えて飲んじゃったからじゃ無い?」

「…そう言えば、そうだった。美和ちゃんに悪いことしちゃった。」


昨日の事を思い返す。

せっかく家に招待してもらったのに、酔い潰れてお昼からは何も出来ていなかった。


「そうだ、満って言うお友達にお礼を言っておいてね。昨日は酔って眠っちゃった紅桜ちゃんを運んでくれて、私がいない間の看病をしてくれてたから。」

「そうだったね。起きた時、満さんがいてびっくりしたんだよね。」


ちゃんとお礼しないとね。

「気にしなくていいわ」とか言いそうだけど、何か喜んでもらえることはしたいな。

満さんは何をしたら喜んでくれるんだろう?


「それじゃあ、行ってくるね百々姉!」

「今日はお友達と学校に行って生徒会のお手伝いなんだよね?」

「同じクラスの子に頼まれてね。」

「生徒会かー、懐かしいな。私も生徒会で働いたな。」


百々姉は昔の記憶に浸るようにしみじみとしている。

今の発言から、百々姉が生徒会のメンバーだったか、生徒会お手伝いをしていたと言う話になってくるけど、なんだか似合わないな。


「……と、ちゃんと見送りをしないとね。行ってらっしゃい、紅桜ちゃん!」


百々姉にお見送りされて、通路に出る。

そこから道路へ視線を下げると、満さんと美和ちゃんの姿が見えた。

今日も早く来ているみたいだ。


急いで降りようと駆け早に、通路を歩く。

階段を使って下へ降りようとした時、ちょうど下の階から登ろうとしてる人がいた。


「……っ!」

「???」


その人は私を見ると顔を引き攣らせる。

悲しい記憶を思い出す中楽しい記憶も思い出しているような。

そんな矛盾した事にどう言う反応を示せばいいのか分からないといった感じ。


「「………………」」


空白の時間が流れる。

お互いに登ったり降りたりせず、ただ静かに立ちつくしてしまっている。

何故、私まで立ち止まったのかは分からない。


本当に脊髄反射のように止まってしまった。

それに、女性に何かの面影を見てしまったから。

懐かしさにも似たもので、恐怖であり温かいなにか。

私にはそれが分からない。だからこそ、動きが止まって立ち尽くしている。


「あ……っ…ごめんなさい。」

「えっ?」


先に動き出したのは下の階にいた女。

謝りながら何処かへ行ってしまった。


何かを話そうとしていたけど、それを聞き取ることはできなかった。

声をこぼして、でも伝えるのが怖くなって逃げ出したような動き。


一瞬、声をこぼしたのではなく、私の名前を呼ぼうとしたのでは無いかとも思ったけど、それはただの自信過剰かな?

とにかく、女性が居なくなると金縛りが解けたように体が動いた。


「あの人は一体誰なんだろう?」


私の中に、あの人は何者なんだろうと言う問いを残していった。

私はいつかその問いに回答出来るんだろうか?


「と、いけない、いけない。満さんと美和ちゃんが待っているんだった。」


階段を2段飛ばしで降りていく。

さっきまでの気持ちを忘れるように、私は降りる。


「やっと来たわね。」

「おはようございます、先輩。」

「2人ともおはよう。」


満さんはいつも通りツンツンしていて、美和ちゃんは可愛い後輩と言った感じだ。

いつも通りに謎の安堵をしてしまう。


「夜宵先輩は他の生徒会の人と先に行ってるんだよね?」

「そうらしいわ。」


今日は生徒会のお仕事のお手伝い。

夏休み前に夜宵先輩に頼まれていた広告の写真のモデルをする。

なんで夜宵先輩が生徒会長をしてるのか分からないけど、現実は変えられないよね。


「そう言えば、昨日はすみません。記憶にないんですけど、先輩に酷いことしたらしくて。」

「あ、うん。……気にしてないからいいよ。それに、覚えてないなら尚更ね。思い出さなくてもいいものだし。」


少し遠くを見てしまう。

昨日の美和ちゃんは本当に荒れてたから、思い出した瞬間大声で叫びそう。

そうなるぐらいなら忘れたままの方がいいと思う。


「先輩の目が笑ってない………私、そんなに酷いことしてたんですか!?!?」

「酷い事は、してないと思うよ?」

「それじゃあ、何してたんですか!?」

「たょっと、待って!それだめ!?体揺らさないで!?」


昨日のように肩を掴まれて、グラグラと強く揺らすので昨日の恐怖が押し寄せる。

昨日は酔っていたから吐きそうだったけど、今日はそんな事はない。

なのに吐きそうになる。

完全にトラウマとして吐く癖がついたのかもしれない。


「こらっ!霜雪が苦しそうでしょ。」

「いたっ!?!?」


満さんが美和ちゃんにチョップを喰らわせる。

そのおかげで満さんの手が肩から離れる。

ちょっぴり口の中が酸っぱくなっていたので、危ないところだった。


「待たせたら悪いし、あの淫乱生徒会長に煽られたくないから行くわよ。」

「う、うん。」

「はぅ……。」


3人揃って学校に向かう事になった。

それよりも、夜宵先輩の呼び名が酷くなっている気がする。

この夏休みの会っていない期間、2人の間に何があったんだろう?

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