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生徒会長が終わってました。

「話は戻るけど、みんな協力してよ!!」

「無理です。」

「嫌、です。」


二人とも意見が変わる事がなかった。

分かっていた事だから、夜宵先輩が可哀想と思うことはない。

代わりに、こんな事で呼ばれた黒瀬さんと広瀬さんがかわいそうだ。


「お願いだよ!私を助けると思ってね?」

「助けたいと思った事ないから、他をあたって。」

「恥ずかしい、し、モデル、に、なるのは、怖い、です。」

「そんな〜!?みんなが頼りなんだよ!そうだ、まだ紅桜ちゃんの返事聞いてないよね?ど、どうかな?」

「私も、遠慮しておきます。」


百々姉の耳に入ったら、周りに自慢しそうだ。

ご近所さんから変目で見られるのは怖いからやめた方がいいかな?


「紅桜ちゃんならやってくれると思ったんだけどな?」

「あんまり得意じゃないですから。」

「何言ってるの!紅桜ちゃんはこう言うの得意じゃん!!前にモデルとしてたし……」

「黒瀬さん、それ内緒です!?」

「モデル??」

「紅桜ちゃんそんなことしてたの?」

「どう言うこと?」


みんなの視線が一気に集まる。

実際かわいい服を着たりすることはあったけど、それは趣味の範囲だけ。

モデルをやったのは半ば騙されたからであって、ここに来てそんな暴露しないでほしかったよ!?

私かなり上手に隠してきたんだよ!?


「せ、先輩、は、モデルさん、だったんですか!?」

「ご、誤解だよ!?」

「なら、どう言う誤解なの?」

「お姉ちゃんにコスプレを着た写真を撮りたいって頼まれただけだから!?」

「あ、これがその時のだよ!二人で撮ったのとかその他色々あるよ!」

「ぎゃああぁぁぁ!!!」


必死に誤解を解こうとしている横で、黒瀬さんは自身の携帯からこの前の写真を見せびらかし始めた。

ノリノリにポーズとかしてるから見ないで欲しいよ!?


「せ、先輩が……か、かわ、いい。こっちの、は……!ふひ、うひひひ……」

「これは中々…。やっぱりモデルとして手伝って!」

「写真の霜雪、かなりハイになってない?これかなりノリノリでしょ。」

「み、見ないで!!」


黒瀬さんから携帯を奪って画面を閉じる。

人の写真をジロジロ見ないでよ!?

特に美和ちゃんは目と言動が本当にヤバい人だからね!?


「私の携帯返してよ!」

「みんなに見せびらかさないと約束するまでダメです。」

「そんな〜。」


こんな簡単な約束を交わせないの何で?と言いたい。

もったいぶったりしぶる必要ないよね?


「ねえ、霜雪とちょくちょく一緒に映ってたのって誰なの?」

「あ、私、も、気になり、ます。」

「それはね、お姉さんだよ。かなりの美人さんでしょ。」

「モデル体型って感じだったよ。でも、そっか。紅桜ちゃんの、お姉さんだったんだ……」


そこまで話をして気がついたんだけど、広瀬さん全然会話に入ってこない。

と言うか、女子だけの盛り上がりに入り込めないみたいだ。


「あ、広瀬さんも、言いたい事があれば言っていいんだよ?」

「僕はいいよ。こう言うのに男子が入ってくると気分良くないしょ?」


男子に入ってこられるのは確かに嫌だけど、広瀬さんなら許せそう。

って、ダメダメ!!

私の写真を見られるのは困るから、今だけは何があっても入ってきたらダメだよ!


「ひとまず紅桜ちゃんだけでも出てよ~!私、生徒会のみんなに了承してくれる友達がいるから大丈夫って、言っちゃったんだよ!!」

「なんで、そんな嘘をつくんですか?」

「だって、実際やってくれるかなって、ね?」

「無いわね。生徒会のみんなに『嘘言ってごめんなさい』って言いに行きなさいよ。」


満さんの言う通り、それが一番だよね。

今回は夜宵先輩に協力してあげられないな。

コスプレ姿の写真が見られてしまったし。


「ぞんなごど言わないで!今度なんでも一つ言うごど聞ぐがらお願い!!」

「ちょっと、足にくっついてこないでよ。」

「頼むよ!!」


鼻水と涙を流しながら、満さんにまとわりつく。

気持ち悪いほどにくっついててなかなか離れない。


「やめなさいよ!制服が汚れるじゃ無い!」

「やだ!協力するまで放ざない!」


駄々をこねる子供のようにくっついて離れない。

いい年した高校生がこんなことして地獄絵図だよ。

それに、被害を被っている満さんかわいそう。


「分かった、分かったから放しなさいよ!」

「ほ、本当?嘘じゃ無いよね?」

「嘘じゃ無いから、早く離れなさい!」


満さんが協力の意を示すと、泣きじゃくった顔から笑顔に戻る。

本当にこんな人が生徒会長なのかと思うと、心底泣けてくる。

これが選挙をサボった生徒たちの末路だと思い知らされた。


「これでなんとかなるよ!先輩として、ありがとうね!」

「最悪。服が汚れた。」

「あ、はは、はは。」


乾いた笑い声しか出せない。

こんな事になってまだ先輩面ができる夜宵先輩はよっぽど肝が据わってる。


「美和、霜雪、二人も協力しなさいよ。じゃないと、こいつをまとわりつかせるわよ。」


夜宵先輩の首根っこを掴んで私たちの前に差し出す。

こんな人をまとわりつかせるなんて、鬼畜の所業だよ。


「分かったよ。満ちゃんに免じて参加さしてもらうよ。」

「先輩がやるなら、仕方なく……」


結局、ここにいるみんなで夜宵先輩の尻ぬぐいをする事になった。

あまり目立ったことしたくないんだけど、協力しないと満さんが後で暴れそうだし仕方ないかな。


「それで、私たちは何をすればいいの?」

「一つは被写体だね。3、4人で校門ら辺集まって笑顔でピースとかかな?もう一つは案内動画撮影ように二人ぐらいが校内を歩くとかかな?」

「なんだか大変そうですね。」

「と言っても、まだ何にも決まってないし、取るのは夏休み中だから安心してていいよ。」


となると一か月後ぐらいかな?

そんなに後なのに今言うなんて、余計怪しいんだけどな。


「今日は顔合わせをして欲しかっただけだから、もう解散でいいかな。」


随分とあっさり解散する事になった。

無理矢理にでも参加させようとして、この後何かあると思ったけどそんなことはなかった。

疑ってみたものの、本当に今日は何もなくて終了してしまった。

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