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大学に行きます!

約束通りの休日私は氷柱姉に連れられてとある場所に来ていた。

それは、氷柱姉が今も通っている大学!


「大学で待ち合わせをしてるの?」

「というか、ここで撮る事になってるのよ。」

「そ、そうなの!?それって、――」

「あー、いたいた!ひっちーおはよう!」


氷柱姉に声をかけようとすると、後ろのほうから呼びかける声が聞こえてきた。


「なっちーおはよう。時間ぴったりね。」

「遅れるとひっちー帰っちゅうもん。と、その子が紅桜くん?小学生の時以来だけど全然変わってないね!てか、身長も伸びてない?それに、男の子なのに女装が超似合う!!なんで女の子じゃないのか不思議だわ〜。」


陽のオーラを纏う明るいちょいギャルなお姉さんが話しかけてきた。

氷柱姉は普通に話してるから友達なんだろうけど、私を知っているみたいだった。

しかも、小学生の時の自分を知っているみたいだけど、こんなお姉さんを見た覚えが一度もない。


「紅桜くん、どしたの?ポカーンとして。もしかして、私が誰だか分かってない?」

「す、すみません。」

「しょうがないわよ。なっちーは高校生デビューでギャルになっちゃったんだから。まん丸メガネに三つ編みの根暗な子じゃなくなったからね。」

「もー、やめてよー!」


氷柱姉が言っていた特徴のある人は記憶にある。

印象が強い人ではなかったけど、とても優しく接してもらった記憶が残ってる。

そう言えば、その人のことをなっちーと呼んでいた気がする。


でも、ちょっとだけ残念だ。

あの人は氷柱姉よりも姉らしい印象があった。

あんなに優しそうな人が高校生デビューでここまで変わってあの人がもういなくなったみたいだ。


「ここで話してばかりだと怒られちゃうから教室に向かうよ!」

「教室ですか?」

「そうだよ。」


氷柱姉は場所が分かっているみたいな足取りで、私は知らない場所をビクビク震えながら付いて行くことになった。

みんな物珍しさかそれとも面白がってか、ジロジロと見られて落ち着きを保てない。


「紅桜、子猫じゃないんだから服をを掴まなくても。」

「だ、だって、ジロジロ見られるんだもん。」

「みんなあなたが可愛くて物珍しいから見てるだけ。取って食ったりするために見てるわけじゃないから。そんなのがいたら私が始末するわ。」

「ひっちー物騒!ブラコン拗らせすぎ!!」


2人には笑われてしまったけど、本当に怖いから手を離せない。

今までこんな気持ちにはなったことがなかったど、TSしてから精神的な部分も変化してしまってる。


怖い思いをしながらも二人について行くととある部屋に通された。

そこには見た目が年上の女性が数人いて一人だけ知っている人が……


「て、え!?(なんでここにいるの!?)」


なんと知人がいた。

しかも、そこにいるのは元クラスの委員長、黒瀬さんだ。

姿が違うからバレないと思うけど念のためあまり関わらないように氷柱姉の後ろに隠れることにした。

でも、すぐに意味が無くしてしまった。


「未菜千、連れてきたよ!」

「お姉ちゃん、遅いよ!」


何故か黒瀬さんの下の名前で呼んでいた。

しかも黒瀬さんはなっちーさんの事をお姉ちゃんと呼んでいた。


「氷柱姉、やばい!」

「どうしたの?」

「彼女、同級生!!」

「え!そうなの!?ど、どうすれば――」


二人してあたふたしているうち黒瀬さんは私たちのことを認識していた。

そして、なっちーさんに紹介されてた。


「こっちが友達のひっちーで、隠れてるのが紅桜君。確か、未菜千は紅桜君と同級生よね?」

「そうだけどお姉ちゃん、この子は紅桜君じゃないよ?」

「え?でも、ひっちーが…。」

「だって紅桜君綺麗だけど、男らしくて私より身長が高いもん。それに、最近学校にも来てないから、ここに来るわけないと思ってたんだよ。」

「ひっちー、どう言う事!?」

「それは――」


結局のところ全て話すことになってしまった。

まさかこんな早くクラスメイトに知られるとは思ってなかった。


話してみたところ、態度は急変した。

それはいい方向でだったのでまだ良かったのかもしれない。


打ち合わせがあるとかで氷柱姉となったーさんは他の人たちのところへ行ってしまった。

その場には俺と黒瀬さんだけが残り隅っこで話すことになった。


「本当に紅桜君なの!?って、この場合は紅桜ちゃんかな?どっちにしろ凄く可愛いよ!」

「う、うん。」

「それにしても、本当に紅桜ちゃんなの?ちょっと触らしてみてよ?」

「え?」


似たようなセリフを前に体験したので体が自然と動いた。


「変なことはしないよ?ちょっとだけほっぺとか触るだけだから。」


まるで頼み込むように言われた。

少しだけ百々姉のような雰囲気を感じるが、黒瀬さんがそんな人ではないと見込んで触らせることにした。


「お肌ぷにぷにで全然違うね。体だけが別人みたい。」

「実際にそんな感じだよ。DNAが変化してるらしいから体は別人と言っても過言はないと思う。」


その後も物珍しく観察していた。

人差し指でツンツンされたり、ほっぺを伸ばされたりと実際は遊んでいるだけかも。


「最近さ、学校に来ないのはTS病にかかったからなの?」

「学校には行ってるんだよ。ただ、違う場所で授業を受けてるだけ。」

「そうなんだ。ならさ、クラスには戻ってこないの?」

「それは、考えてる。でも、もう少し待って欲しいかな。」

「別に今すぐ戻ってきても大丈夫だと思うよ?誰も紅桜ちゃんのこと気にしないし、むしろ女の子と話が弾むと思うよ?元々仲良かったんだし。」

「でもね、やっぱり怖いんだ。受け入れられないかもしれないってどこかで思っちゃうんだ。」


黒瀬さんに誰も気にしないと言われて嬉しかった。

それだけで心が救われた気がする。


「困った時は言ってね。私も委員長として役に立ちたい。」

「黒瀬さんはすでにみんなの役に立ってるよ。」


その後すぐに氷柱姉に呼ばれて、例の服に着替えることになった。

着替える場所は無く、この場で着替える必要があるらしくて少し恥ずかしかった。

この場にいる全員が着替えるらしくて、あまり周りを見ないように着替えると、逆に変な視線ばかり感じて少しだけ怖かった。


「氷柱姉、後ろの紐結んでくれない?上手くできなく。」

「それなら後で私のもやってね。」


氷柱姉なら1人で出来そうなんだけど、やってもらう側なので何も言わずやった。


「そう言えば、百々姉は来ないの?」

「百々は寝坊。大事な日なのにまだ寝てるわ。」

「嘘!?知ってたなら言ってよ!迎えに行ったのに。」

「知ったのはさっきよ。一度声はかけたんだけど、その後二度寝したらしいの。私は先に行くよう言われたからほってたのよ。」

「そ、そうだったんだ。」


早とちりをしてしまった。

危うく間違って説教をしてしまうところだった。

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