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それからは、なんの変化もなく十歳の洗礼の日を迎えた。
この世界は日本とは違い治安が悪く、子供が産まれても亡くなることが多い。
だから、十歳まで無事に成長したら神に感謝し祈るのが習慣になっているそうだ。
「やっと十歳か」
俺は転生してからの十年間のことを考えながら用意されていた服に着替えていた。
「ジェイド様そろそろお出かけの準備できていますか?」
扉がノックされ、ティナが部屋に入ってきた。
「ティナ、もう準備できてるよ」
いつものメイド服姿で呼びにきたティナと一緒に部屋を出た。
すでに外では、父上と母上が待っていた。
「お待たせしてすいません」
俺は遅れたことを父上に頭を下げて謝罪する。
「かまわん、それよりはやく行くぞ」
馬車の準備も整い、執事のジルコンが呼びにきた。
「お待たせいたしました。用意ができましたのでお乗りください」
馬車に揺られて十分ぐらいで教会に着くと馬車を降り、受付に向かう。
「ジーク・オニキスだ。今日はうちの息子が十歳になったので洗礼を受けにきた。」
「いよいよだなジェイド、いい職業やスキルをもらえるといいんだがな」
「お待たせいたしました。それではこれよりジェイド・オニキス様の十歳の洗礼を開始いたします。ジェイド様は前へ」
ジェイドは司祭の前にでる
「ジェイド・オニキス。そなたの十歳の洗礼を祝う。」
司祭はそのまま神の像に向かい、膝をつき、手を組む
「この世界を見守る神よ。ジェイド・オニキスにステータスを授け、道を示したまえ。」
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